歌姫と称されるアーティストは数多くあれど、彼女ほど「歌姫」という形容にふさわしい存在はいないのではないのでしょうか。
2015年にデビュー10周年を迎え、絶対的な存在として観客を魅了するロックボーカリスト、May’n。
心を鷲掴みにするようなエモーショナルな歌唱が特徴の彼女ですが、いったい彼女はどのようにして支持されてきたのでしょうか。本記事とともに、その軌跡を辿っていきましょう。
マクロスFの「歌唱担当」という役割
2003年に行なわれたオーディションをきっかけに芸能界入りをした彼女。
2005年には本名の「中林芽依」名義でメジャーデビューを果たすなど、音楽活動を順調にこなしています。
2008年の初めに現在の「May′n」という名前に改名したのですが、同年春に大きな転機が訪れます。
その転機というのは、ロングヒットシリーズである「マクロスシリーズ」の新作、「マクロスF」で主要キャラクターの歌唱担当に起用されたことです。
作品のメインヒロインの一人でもあり、17歳にしてトップスターの座に君臨し「銀河の妖精」と称される「シェリル・ノーム」というキャラクター。
高いカリスマ性が必要とされる役柄に選ばれたとあって、当然アニメシリーズのファンからの期待も大きなものでしたが、芯が強くソウルフルな歌声は、堂々としたステージジングで魅せるシェリルにピッタリとマッチ。
本編の人気とも相まって、シェリル・ノームという存在は一躍スターダムを駆け上がります。
シェリル=May’nの快進撃
2008年「シェリル・ノーム Starring May’n」名義でリリースしたシングル「ダイアモンド クレバス/射手座☆午後九時 Don’t be late」は、オリコンシングル週間ランキング3位を記録。以降「ライオン」「ユニバーサル・バニー」などの人気楽曲の音源化を含む、シングル5枚・アルバム6枚に同名義で参加。いずれも全てオリコンシングル週間ランキングTOP10入りを果たしています。
その後の、シェリル・ノームとしてのオフィシャルブログの開設・コラボ商品の発売といった、数々のタイアップが実現するなど、シェリルが大きな存在になり得たのは、May’nの歌声が持つ説得力があったからに違いありません。
2008年10月には同作品のもう一人のヒロイン、ランカー・リー役の中島愛とともに「マクロスFギャラクシーツアーFINAL」を敢行。日本武道館を含む3会場で行なわれたこの公演のチケットは即日ソールドアウト。大盛況のまま幕を閉じました。
同年11月にシンガポールで行なわれた「Anime Festival Asia 2008」にも出演。この海外公演がきっかけとなり、以降自身単独でのアジアツアーを2010年と2011年、2012年に敢行。海外ファンからの人気も確実に獲得していきました。
ディーバは、現実世界に舞い降りる
マクロスFでの活動と並行しつつ、May’n名義でのメジャーデビューシングル「キミシニタモウコトナカレ」を2009年5月にリリース。この楽曲はテレビアニメ「シャングリ・ラ」のオープニングテーマに起用され、マクロスFのファン以外の間でも徐々にMay’nという存在が広まっていきました。
そして2010年1月、念願の日本武道館での単独コンサートが開催されました。
即日完売となったチケットを手に集まった一万人もの観客を、たった一人で熱狂の渦へ巻き込んでいく姿は、「May’n」という歌姫そのもので、カリスマ性に溢れていました。
その後もツアーで全国、さらには世界各地を回るかたわら、「Scarlet Ballet」(2011年/アニメ「緋弾のアリア」OP) 、「Chase the world」(2012年/アニメ「アクセル・ワールド」OP)、「ヤマイダレdarlin’」(2015年/アニメ「アクエリオンロゴス」OP)などといったシングルをリリース。 また2010年に発表された「シンジテミル」は 映画「インシテミル」の主題歌に、2013年発表の「Run Real Run」は テレビドラマ「リアル鬼ごっこ THE ORIGIN」の主題歌にそれぞれ起用されるなど、さらに活躍の場を広げました。
10周年のその先へ!
アニバーサリーイヤーであった2015年でしたが、2016年もその勢いは衰えません。
5月15日からコンサートツアー「May’n Hall Tour 2016 “SPRING OUT!!”」をスタートすることが早速発表されました。
10周年を迎えてなお「まだまだこれから」と歌手としてさらなる高みを目指す姿勢からも、彼女がいかに「歌う」ことができる場所を大切に思っているのかがよくわかります。
会場全体が震えるような彼女の歌のパワー、ぜひ一度生で体感してみてください。
文:囲(SHUTTER)
May’n オフィシャルWEBサイト http://mayn.jp/