日本の女性ユニットが活躍の場を世界に広げています。卓越した歌唱力や繊細でギミックの効いたダンスが新鮮に映るのか、海外の人からの評判も上々です。ユニークな楽曲や高度なパフォーマンス、そして思わず応援したくなる彼女たちの人間性が、多くのファンに支持されているようです。Perfume、BABYMETALを例に、その人気の秘訣を少し探ってみましょう。

圧巻パフォーマンスの裏側にある軌跡
日本の女性ユニットの中でも一線を画するPerfumeは、今年メジャーデビュー11年目。10周年を記念して開催された2015年のライブでは、10日間で合計85,000人の観客を動員しました。機械的に動く独特な振り付けのダンス、耳に残るキャッチーな歌詞、ノリノリなテクノポップのメロディー。この3つの要素を巧みにシンクロさせ、Perfumeにしかできない世界観を演出しています。ライブでは、さらに最先端技術を駆使した映像と七色に輝くライティングも相まって、アーティスティックな表現で観客の度肝を抜きます。

彼女たちは今や日本を代表する女性アーティストと言えるでしょう。

一気に邦楽シーンの頂上まで駆け上がったように見える3人ですが、実は結成からデビューするまで5年。苦労も多かったようです。始まりは広島県のローカルアイドル。現在の方向性とは全く違う典型的なアイドル歌謡曲を歌っていました。その後、東京で中田ヤスタカ氏に出会い、“近未来テクノポップユニット”という新たなコンセプトを確立し、メジャーデビュー。「ポリリズム」や「love the world」などのヒット曲を次々と発表し、『日本のテクノポップアーティスト＝Perfume』というイメージを構築しました。

ライブ中に3人が何度も見せる深いお辞儀には、応援してくれる人への感謝の気持ちが表れているとファンは言います。初心を忘れず、日々進化し続ける彼女たち。その姿勢に感動し、ファンから根強い支持を集めています。

アイドルが新しいヘヴィメタを熱唱！
“アイドルとメタルの融合”そして“新しいメタルの誕生”を謳うBABYMETALが快進撃を続けています。可愛らしさと激しさを武器に新しいヘヴィメタルを開拓。日本よりも海外からの反響がよく、イギリス、カナダ、アメリカに多くのファンを抱えています。
彼女たちの音楽の魅力はどこにあるのでしょうか？

政治や社会に対して攻撃的でラディカルなメッセージを歌詞に込め、体に響くような重低音と高速テンポのリズム、そしてヘアースタイルやファッションが奇抜。ヘヴィメタルにそんなイメージをお持ちの方も多いはずです。

しかし、BABYMETALの場合は少し違います。

アイドルらしいかわいい歌詞に、赤と黒を基調としたゴシック・ファッション。早い動きを取り入れたダンスとキュートなスクリーム。新しい要素をふんだんに取り入れた“アイドル版ヘヴィメタル”を披露しています。海外ファンの目には、従来のものとは違う革新的な音楽に映ったのかもしれません。

ボーカルのSU-METALの歌唱力やサポートバンドの演奏レベルも言うことなし！　聞きごたえのある音楽と楽しいパフォーマンスでライブを大いに盛り上げてくれます。

文：吉田健二（SHUTTER）