20周年を迎えたASIAN KUNG-FU GENERATION活動の軌跡を追う 

19.June.2016 | MUSIC

【MOSHI MOSHI pick up artists!】

今年で結成20周年を迎えたASIAN KUNG-FU GENERATION(アジアンカンフージェネレーション)、通称アジカン。「COUNTDOWN JAPAN 15/16」では、12月28日のEARTH STAGEでトリを務めるなど、デビュー以来、日本のギターロックシーンをけん引し続けている彼らも、今年で結成20周年となります。これまでの偉業を振り返ってみましょう。

 

実は脱サラしていた アジカン活躍の軌跡

ASIAN KUNG-FU GENERATIONのメンバーは、ギターボーカルの後藤正文(ゴッチ)、ギターの喜多建介、ベースの山田貴洋、ドラムス伊地知潔の4人。1996年に大学の音楽サークルで出会い、結成されました。

 

2002年11月には、初の正式音源となるミニアルバム「崩壊アンプリファー」をリリース。同アルバムに収録されている「遥か彼方」が、アニメ「NARUTO-ナルト-」のオープニングテーマになり、一躍注目を集めることになります。そして2003年4月23日には、キューンレコードから「崩壊アンプリファー」が異例ともいえる、再リリース。同年、FUJI ROCK FESTIVAL、SUMMER SONICに出演。11月19日に、1stフルアルバム「君繋ファイブエム」をリリース。翌年10月20日に発売した2ndアルバム「ソルファ」が、アルバム・チャートでグループ初となる1位を記録します。

 

日本のロックシーンには欠かせない存在となったアジカンも、大学卒業後にはいったん、サラリーマンとして就職しています。それというのも、収入が不安定なフリーターよりも、音楽活動に集中できると思ったからなのだとか。堅実な判断力も素晴らしいですが、そんな経験を経ているアーティストの楽曲には、一種の“深み”があるように感じてなりません。

 

アジカン流の歌詞はどうやって作られる?

さて結成当初のオリジナル曲は、全英語詩だったいいます。アジカンといえば、キャッチ―なメロディーと、絶妙な日本語の歌詞。ちょっと意外です。

 

ほとんどのアジカンの作詞作曲を手掛けているのが、後藤正文。ゴッチは、無料で配布している新聞「THE FUTURE TIMES」の編集長を務め、過去に「Weeklyぴあ」でコラムを連載、それらをまとめた書籍が発売されるなど、文筆業でもいかんなく才能を発揮しています。

 

ライブでも、ど定番のナンバー「リライト」」の歌詞の冒頭を引用してみましょう。

 

<軋んだ想いを吐き出したいのは存在の証明が他にないから

掴んだはずの僕の未来は「尊厳」と「自由」で矛盾してるよ

 

歪んだ残像を消し去りたいのは自分の限界をそこに見るから

自意識過剰な僕の窓には去年のカレンダー 日付けがないよ>

 

「リライト」はサビにも、「起死回生」や「全身全霊」といった、語感の強いリリックが意識的に使われていて、韻を踏む言葉の妙も感じられます。

 

そもそもゴッチはメロディーが出来てから、リズム感にはまる母音などを考えながら、作詞をしていくのだとか。特にアジカン独特の世界観はこの言葉探しで紡がれる、リリックから生み出されているといっても過言ではありません。

 

まだまだ止まらない、アジカンワールド

またCDジャケットのイラストも、アジカンの世界観を盛り上げている要素の一つ。手掛けているのは、現在国内でも有数の人気イラストレーターである中村佑介です。楽曲が新しくリリースされる際、ジャケットについてもファンからの期待度は高いようです。

 

2016年3月16日には、セルフカバーとなる最新シングル「Re:Re:」が発売されました。巨大なフェスの会場でも、なんなく観客で埋め尽くす彼ら。バンドの存在が大きくなっても、あくまで自然体でいるところも魅力なのかも知れません。これからもさらなる活躍に期待し、引き続きアジカンワールドを堪能することにしましょう。

 

 

ASIAN KUNG-FU GENERATION

http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/AKG/

 

ライター:石水典子(SHUTTER)

 

RELATED ENTRIES

  • ASIAN KUNG-FU GENERATION恒例ライブツアー「酔杯(SUI CUP)」開催決定!直前ツアー映像公開

    25.January.2020 | MUSIC

    ASIAN KUNG-FU GENERATIONの恒例ライブツアー「酔杯(SUI CUP)」を、2015年〜酔杯フォーエバー〜以来、5年振りに今年開催することが決定!   今回のツアーは「酔杯2 〜The Song of Apple ~」と題し、5/21(木)札幌公演から6/12(金)広島公演までの7都市全7公演のツアーとなる。各公演にはオープニングゲストも出演する。   そんなオープニングゲストを紹介した、ASIAN KUNG-FU GENERATION 後藤正文からのコメントも到着した。 ----------------------------------- 後藤正文 コメント 東郷清丸とYeYeの独特な方向に突き抜けたそれぞれの異能、NOT WONKはインディロックの希望、その希望に連なる新星Jurassic Boys、 君島大空という懐かしくて眩しい才能、突然少年の不器用で実直な情熱、the chef cooks meが震わせる音楽への愛と祝福。 そのどれもを、こうした俺の陳腐な言葉を塗り替えて体験できる近未来に、興奮しています。 素晴らしいツアーになることを確信しています。 全国の皆様、是非ご参加ください!! -----------------------------------   ASIAN KUNG-FU GENERATIONオフィシャルHPにてチケット先行受付がスタートした。公演詳細・チケット先行等最新情報は、ASIAN KUNG-FU GENERATIONオフィシャルHPにて随時発表されるので確認しよう。「THE FINAL」(2008年)「リターンズ」(2009年)「フォーエバー」(2015年) と続く、久しぶりの酔杯に期待が高まる。   ASIAN KUNG-FU GENERATION – 解放区【LIVE】Tour 2019「ホームタウン」
    そして、ツアーの開催を記念して最新曲「解放区」のライブ映像がYouTubeで公開された。   「解放区」は、去年5月15日にリリースされた両A面シングル「Dororo / 解放区」の表題曲の1つ。公開されたライブ映像は去年に行われた全国ツアー「ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2019「ホームタウン」」神奈川・パシフィコ横浜公演でのパフォーマンス。次回ツアーの期待を胸に、「解放区」のライブ映像をチェックしよう!
  • ASIAN KUNG-FU GENERATION『映像作品集15巻 ~Tour 2019「ホームタウン」~』トレイラー公開

    04.December.2019 | MUSIC

    ASIAN KUNG-FU GENERATION(アジアンカンフージェネレーション)が12月4日にリリースするライブBlu-ray / DVD「映像作品集15巻 ~Tour 2019「ホームタウン」~」のトレイラー映像がYouTubeで公開された。本作には今年の3月から7月にかけて行われたTour 2019「ホームタウン」より、パシフィコ横浜公演の模様を収録。最新アルバム「ホームタウン」の収録曲を軸としたセットリストに加えて、アコースティックセットでの演奏も収録している。   ASIAN KUNG-FU GENERATION 映像作品集15巻 ~Tour 2019「ホームタウン」~ (Trailer)
    今回公開されたトレイラー映像では「荒野を歩け」「君の街まで」、さらにアコースティックでの「大洋航路」などのライブ映像をダイジェストで観ることができるのでぜひチェックしてほしい。
  • ASIAN KUNG-FU GENERATION、ファン200人と“自由”を歌った「解放区」MV公開

    15.May.2019 | MUSIC

    ASIAN KUNG-FU GENERATION(アジアンカンフージェネレーション)の新曲「解放区」のミュージックビデオがYouTubeで公開された。   「解放区」Music Video
      「解放区」は本日5月15日にリリースされた両A面シングル「Dororo / 解放区」の収録曲で、現在開催中の全国ツアー“ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2019 「ホームタウン」”のアンコールで毎回披露されており、既にバンドにとって大切な曲になっている。   ミュージックビデオの監督は大喜多正穀が手掛け、ファン200人と共に作り上げた作品。撮影に参加してくれるエキストラは、オフィシャルサイトで募集されていた。メンバーの演奏シーンはなく、晴れやかな表情でファンと共に“自由”を歌っているミュージックビデオとなっている。  
    なお、新曲「Dororo」のMusic Videoも公開されているので、併せてチェックしてみよう。
  • ASIAN KUNG-FU GENERATION、異形のクリーチャーが蠢き悶える「Dororo」MV公開

    28.April.2019 | ANIME&GAME / MUSIC

    ASIAN KUNG-FU GENERATIONの新曲「Dororo」のミュージックビデオがYouTubeで公開された。 「Dororo」は5月15日にリリースされる両A面シングル「Dororo / 解放区」の収録曲で、現在放送中のTVアニメ「どろろ」のオープニングテーマ。 ミュージックビデオの監督は松田広輝が手掛け、人の心の中に住み着く異形のクリーチャーが蠢き悶える不穏な作品となっている。
    なおCDリリースに先駆け、各音楽配信サイトでは「Dororo」を先行配信している。MVを観て気になった人はダウンロードしてフルサイズも聴いてみて。
  • ASIAN KUNG-FU GENERATION、TVアニメ「どろろ」OPテーマ「Dororo」の先行配信スタート

    22.April.2019 | ANIME&GAME / MUSIC

    ASIAN KUNG-FU GENERATIONの新曲「Dororo」の配信が本日4月22日にスタートした。 「Dororo」は5月15日にリリースされる両A面シングルの収録曲で、TVアニメ「どろろ」のオープニング・テーマとして現在放送されている。TVアニメ「どろろ」のために書き下ろされた楽曲で、エグみと疾走感が交差するアッパーチューンだ。   TVアニメ「どろろ」 オープニング・テーマ ASIAN KUNG-FU GENERATION「Dororo」OPノンクレジット映像
      YouTubeではTVアニメ「どろろ」のノンクレジットオープニング映像が公開され、「Dororo」のアニメサイズ尺が聴けるので併せてチェックしてみて。
  • アジカンメンバーと共演!新曲「解放区」のミュージックビデオ撮影エキストラ募集

    17.April.2019 | MUSIC

    ASIAN KUNG-FU GENERATION(アジアンカンフージェネレーション)が5月15日にリリースする両A面シングル「Dororo / 解放区」から「解放区」のミュージックビデオを制作。このビデオ撮影に参加してくれるエキストラを、現在オフィシャルサイトで募集している。 撮影は都内近郊にて、4月23日(火)の日中から19:00頃にかけて実施予定。18歳以上の男女、計200名程度を募集している。選ばれたエキストラは、当日ASIAN KUNG-FU GENERATIONのメンバーと一緒にビデオ撮影に参加することができる。   「解放区」は現在開催中の全国ツアーのアンコールで必ず演奏され、バンドの中で既に大事な楽曲になっているだけに、ミュージックビデオも気合の入った作品になりそうだ。応募締め切りは4月19日(金)9:00まで。 ビデオ撮影に参加してASIAN KUNG-FU GENERATIONの映像作品を一緒に作り上げたいというファンは、今すぐ応募しよう!