FLOW「FLOW LIVE BEST 2019 in 日本武道館 ~神祭り~」ライブレポート

02.February.2019 | MUSIC

2019年1月30日、FLOWによる10年ぶりの武道館ライブ「FLOW LIVE BEST 2019 in 日本武道館 ~神祭り~」が開催された。今回はそのライブレポートをお届け。

武道館ライブはアグレッシヴに音を轟かせる「Break it down」から幕を開けた。

1曲目からフロアにはサイリウムの光。赤い輝きに染まった客席を見遣りながら歌声を放つKOHSHIとKEIGOへ向けて拳もつきあげられ、幕開けから大合唱が起こった。

続く楽曲は慟哭のラウドロック「JOY TO THE WORLD」から「7th Heaven」へ。 IWASAKIとGOT’Sが紡ぐビートでさらに熱をあげていく。「Steppin’ Out」ではタオルによる旋風を巻き起こし、「Oi!!!Oi!!!」のチャントがこだましていく。

 

「この中に、10年ぶりに来たよって人もいると思うし、初めてFLOWのライブに来たよっていう人もいると思うんだよ。でも今日、この1月30日のFLOWのライブは、みんなでしか作れないんだからなー!ひとりでも欠けたらダメなんだぞー!」とKEIGOの声と共に感情を解放するヘビィでラウドな「赤いサイレン」、「Red Hot Riot」と情熱の歌の後には、会場を青く染めた「ブレイブルー」、「COLORS」とアニメソングの金字塔曲が響く。

今回のライブのタイトルの“神祭り”。武道館の客席の位置がそれぞれ「神エリア」と名付けられている。ステージ前は「Fighting Dreamers 神エリア」ほかにも「東の神エリア」「西の神エリア」、さらには「天の神エリア」など。“神祭り”はFLOWや彼らの楽曲が神なのではなく、ここに集った一人ひとりが“神”なのだ、と語るKEIGOとKOHSHI。「みなさんを招くからこそ神祭りなんですからね」とKEIGOが告げると会場は拍手に包まれる。

「今日は元祖FLOW流応援歌を持ってきました!!」とTAKEの声で掻き鳴らされたイントロに歓喜の声があがる。「メロス」だ。この曲はFLOWのインディーズでのラストシングルだった。続けて「常夏エンドレス」。10年前の武道館のときには生まれていなかったナンバーを会場一体で歌う。続いたのはピアノと都会的なサウンドが響く「音色」。ここでKOHSHIもギターを手に取り、音層厚く聴かせていく。「Answer」ではエレクトロとラウドロックをメロディックに融合させ、オールドスクール的なロックンロール「Shakys」ではメンバー全員が軽快にコーラスを重ねる。

KEIGOが口を開き、10年前の想いを語りだす。前回の武道館公演は、ファンのみんなに連れて来てもらった武道館だった、と言う。また必ず自分たちの力でやりたい、という想いを抱きながら10年間。再びこの武道館のステージへ。デビュー5年目で立った10年前の武道館のステージでは、FLOWがどんなバンドなのか自分たちでも言葉に出来ないままにがむしゃらにライブでオーディエンスと繋がりたくてもがいていた彼ら。デビューから15年以上の時を重ね、全国のファンとライブを積み重ねてきた今、はっきりと言えることがある、と語った。

「FLOWはみんなでライブを作り続けているバンドです。それは学生だろうが、社会人だろうが、男だろうが、女だろうが、日本なのか、海外なのか、アニメかロックか、そんなものは本当にどうでも良くて。来てくれるみんなとその日しか出来ないライブをずっと作り続けていきたい」

 

そして響いたのは「ONENESS」。この日のために作られたテーマソング。曲を作って、ライブで観客とFLOWとがひとつになった瞬間にその楽曲が完成する。

ビジョンに映像がインサート。超豪華共演で話題をさらったあのユニットが登場だ。再び武道館に立つことになったときからどうしても一緒に音を放ちたかった、とメンバーが言葉にし続けて来たFLOWの盟友であり戦友でもあるGRANRODEOを招きいれてのFLOW×GRANRODEOのライブへ。アニメ「七つの大罪」の楽曲のために結成された7人組スペシャルバンドが「Howling」を響かせる。

終盤に突入すると、軽快なイントロと共にGinyuforcE&RAB(リアルアキバボーイズ)がステージに駆け込み「愛愛愛に撃たれてバイバイバイ」を披露、そして「HERO~希望の歌~」に続き、彼らと共に歩み続けるアニメ「NARUTO」とのコラボの一曲である「Sign」。青く染まった会場をKOHSHIの想い滲む歌声にオーディエンスの声が重なる。そして「風ノ唄」では、ここまでこだましてきた大合唱は、より大きな声の塊に。この日、集まったオーディエンスと共にジャンプをして武道館を“今日イチ”揺らしたのはやはりこの曲。「GO!!!」だ。

 

「今、目の前にいる全員が、オレたちがバンドやってる理由だろう!武道館!オレたちの仲間の歌!歌ってくれ!」とKEIGOの声に歓声と拳があがった「ANTHEM」。どんなに苦しいときにも、ここに集まったオーディエンス、今日来られなかったファンがいたからこそ、彼らが進んでこられたのだ、ということが深く刻まれた曲。ビジョンは映像が5分割され、5人がそれぞれ大写しにされる。彼らの表情をつぶさに見守りながら一緒に歌うファンも皆、彼らの想いを噛みしめていたことだろう。

 

「なんで続けてこられたかというと、そんなのたったひとつ。そこにみんながいたから」と言葉少なにKOHSHIが告げる。「15年分の想いを伝えさせてください。本当にありがとう」。そして始まる「Garden」。10年前の武道館もこの曲が最後だった。これからも彼らは、目の前のファンと共に進んでいく。10年ぶりのステージはこうして幕を閉じた。

新曲「PENDULUM」とデビュー曲「ブラスター」でアンコールを熱く盛り上げたFLOWは、ここから次の時代へと歩を進める。スクラップ&ビルドで新たな熱を刻んだ日本武道館にオーディエンスを連れて来たFLOWが次はどんな景色を見せてくれるのか。期待したい。

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    中でも「Smells Like 40 Spirit」では、大人の事情で流せない映像ということで、配信ではモザイクだらけの映像で届けられ、会場、ネット上でも笑いが起こる。

     

    イベント内では、メンバートークセッションも展開。メンバーによる楽曲解説のみならず、アルバムに秘められた思いや、ここだけの面白トークも炸裂した。

     

    TAKEコメント

    「今回のアルバムジャケットは、村上周さんの書き下ろし。3年ぶりのオリジナルフルアルバムなので、再びタッグを組ませていただいて。FLOWのロゴやインディーズ盤の「FLOW#0」という、我々の作品に一番最初に携わってくださった方。1月に開催した日本武道館公演も見に来ていただいていて、その武道館の様が描かれてます。真ん中のステージにFLOWがいて、周りには色んな世代、ジャンルの壁を乗り越えて、国境も超えて集まった、みなさん。その日本武道館当日、感じたものを形にしてくださったデザインになっています。」

     

    KOHSHI

    「今年は、武道館からスタートして、そこからフルアルバムをリリースすることができて、バンド冥利に尽きるというか、音楽とライブで今年も突っ走っていきますので、よろしくお願いします。」、KEIGO「今まで以上に、色んなタイプの楽曲が一枚の中に収められているアルバムかなと思います。他のメンバーも言っていましたが、メンバー共通して思っている事はライブ。ライブで積み重ねてきたこと、体験してきたことが、「TRIBALYTHM」という作品にできて、それをまたライブで披露することができますので、みなさんぜひ、ツアーでお待ちしております。」

     

    なお、5月26日(日)横浜Bay Hallを皮切りに全国7公演のツアーをまわる。ファイナルの7月12日(金)新木場Studio Coast公演は、4月16日(火)~4月23日(火)までローソンチケットにてチケット先行受付中。

     

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