劇場アニメーション「HUMAN LOST 人間失格」2019年 全世界公開

26.March.2019 | ANIME&GAME

2019年3月22日(金)アメリカ・シカゴで開催された全米有数の規模を誇るポップカルチャーイベント「CHICAGO COMIC & ENTERTAINMENT EXPO(C2E2)」ステージイベントにて、木﨑文智監督、アニメーション制作を手掛けるポリゴン・ピクチュアズの代表取締役である塩田周三氏、本企画のプロデューサーを務める株式会社スロウカーブの代表取締役である尾畑聡明が登壇。多くのファンが会場に詰めかける中、劇場アニメーション「HUMAN LOST 人間失格」の企画の成り立ちや作品内容、意気込みを語った。

太宰治生誕110周年を記念し、日本文学の傑作・太宰治「人間失格」が、最高峰クリエイター陣によって大胆に生まれ変わる本作品。

 

医療革命により、“死”を克服した昭和111年の東京――

人々は体内の“ナノマシン”とそれらを“ネットワーク”により管理する“S.H.E.L.L.”体制の支配により、病にかからず、傷の手当を必要とせず、120歳の寿命を保証する、無病長寿を約束された。

しかし、その究極的な社会システムは、国家に様々な歪を産み出す。埋まることのない経済格差、死ねないことによる退廃的倫理観、重度の環境汚染、そして、S.H.E.L.L.ネットワークから外れ異形化する“ヒューマンロスト現象”……。

日本は、文明の再生と崩壊の二つの可能性の間で大きく揺れ動いていた。

 

誰も観たことのない「人間失格」が世界を驚愕させる――

 

木﨑文智監督コメント

この3~4年間はほぼかかりきりで本作に取り組んできた。試行錯誤を繰り返しながらも、見応えのあるSFアクションエンタテインメントになりながらも、原案となる「人間失格」に流れている、人間としての弱さや本質的な要素を含んだ“人間ドラマ”としての仕上げたつもりでいるので、その辺りを楽しみにしてもらいたい。

 

ポリゴン・ピクチュアズ 代表取締役 塩田周三氏コメント

ポリゴン・ピクチュアズとしての初のオリジナル長編劇場アニメで相当力を入れて制作した。映像はこれまでの弊社作品よりまた一段進化したビジュアルになっており、手ごたえを感じているので、楽しみにしていて欲しい。

 

 

プロデューサー 尾畑聡明氏コメント
KIRAや攻殻機動隊のような世界に通底する日本のSci-Fiアニメを今一度世界に向けて発信したい、そんな想いから2015年に企画がスタートした。太宰治氏の「人間失格」のアニメリメイクのネタを元に、大胆にSci-Fiアクションへと昇華したら面白くなるかもしれないと考え、一気に企画を練り上げた。

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    本作を手がけるのは、20歳で脚本・監督を務めた短編映画「The Soloist」がJapan Film Festival Los Angeles 2022 Best J.Horror賞を受賞した清水友翔監督。出身地である岐阜県を舞台に、自らの経験を基に脚本を執筆。長編映画では監督初作品となる。

     

    物語の主人公・稔は、ある事件をきっかけに、今まで閉ざしていた家族や友人に心を開き始め、徐々に死への恐怖を受け入れ、今を生きていくことを決意。それは、有限な時間に生きることの理不尽さと、彼を取り囲む自然ですらいつかは消え去ってしまうという儚さを知ることを意味する。そこに生まれる人々の愛情を描いた本作で、ヒロイン・水石朱里役を葵うたのが演じる。

     

    現在、本作のクラウドファンディングが実施中なのでこちらもチェックしてみてはいかがだろうか。

    <水石朱里役:葵うたの コメント>

    底知れぬ孤独と絶望に精一杯寄り添い、生きる為に身についた、強さと弱さ、厳しさと優しさ。彼女の持つ、裏と表を繊細に演じれたらと思います。 街の景色や匂い、人々、感情との出会いをしっかり感じたいです。携わっている人々がもたらす、映画制作へのパワーを、すでにひしひしと感じています。エモーショナルなロケーションも、とても楽しみです。わくわくしています。是非、お楽しみに。

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    本作は、2019年に池袋シネマ・ロサでレイトショー公開ながら記録的な動員を達成した『かぞくあわせ』、門真国際映画祭2020で最優秀作品賞など三冠を達成した『あらののはて』、Asian film festival2022 最優秀監督賞をはじめ国内外の映画祭で数々の入選を果たした『とおいらいめい』に続くルネシネマ第4弾として企画製作された作品。マンションの一室での出来事を通して家族のありさまを描く。

     

    主人公の人気小説家・朱鷺田亜美の幼馴染、松井千穂役をイトウハルヒが演じる。

     

    <松井千穂役:イトウハルヒ コメント>

    家族ってなんだろう。「瞬きまで」を読んでから、ずっと考えていました。あいまいで、強固で、歪で、温かくて、ときに冷たいもの?たくさん考えましたが、絶対的な答えはまだ見つかっていません。ひとつの望遠鏡とひとつの本を通してみえる家族のかたちがみなさんに映ったとき、この問をもう一度一緒に探したいです。

     
     

    【あらすじ】

     

    人気小説家、朱鷺田亜美(舞木ひと美)は、小学生の一人息子の親権をめぐって離 婚調停中。そんなある日、仕事場であるマンションに、夜の間だけ部屋を貸し て欲しいという謎の男(池田 良)が現れる。担当編集者、飯島玲子(仁科かりん) の反対にあうも興味本位で部屋を貸す亜美。謎の男はどうやら向かいのマンシ ョンを望遠鏡で覗くつもりらしい。翌朝、部屋に残された望遠鏡を何気なく覗 いた玲子。そこに映ったのは、幼子の虐待現場だった。 亜美の書いたベストセラー小説「雪月花」は母親から虐待を受けた少女の物語。 向かいのマンションの出来事は、はたして偶然か、必然か?

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    15.February.2023 | ANIME&GAME / MOVIE / MUSIC

    217日(金)に全国公開されるアニメーション映画『BLUE GIANT』。シリーズ累計920万部超の大人気ジャズ漫画の初の映画化作品となるが、その音楽を世界的ピアニストの上原ひろみが担当することでも注目を集めている。   上原ひろみは劇中のほぼ全曲を作曲し演奏にも参加しているが、それら楽曲をまとめたオリジナル・サウンドトラック(映画公開と同日の217日に発売)より、エンドロール曲の「BLUE GIANT」が先行配信された。   この曲は、劇中に登場する“JASS”のレコーディング中に浮かんだイメージをもとに上原ひろみが作曲したナンバーで、“JASS”のメンバーである馬場智章(sax)、石若駿(drums)とのトリオで演奏されている。バラード調で、印象的なメロディを馬場のテナー・サックスが歌い上げる感動的な出来栄えとなっている。   上原ひろみ、馬場智章、石若駿の3名は、27日(火)、TOHOシネマズ 日比谷にて開催された映画の完成披露舞台挨拶に、メインキャストの声優を務めた山田裕貴、間宮祥太朗、岡山天音、そして監督の立川譲とともに登壇した。   壇上で上原は、「この音をみなさんへ届けたいという一心で取り組んできたので、感無量です」と挨拶。テナー・サックスの馬場は「音が聞こえてくるような漫画『BLUE GIANT』の音を出すのは少し怖い部分もあったが、多くの方にこの音が届いてほしいと思います」と思いを語った。ドラムを担当した石若は「ドラムの演奏を通して玉田の気持ちや感情を表現したが、とてもチャレンジングでした。ストーリーが進むにつれ音に変化があると思いますので、ぜひ注目してください」と語った。   ピアノ演奏のほかに音楽も担当した上原は「バンドの曲は情熱が伝わるように、劇伴は1シーン1シーンの感情のサポートができるようにと監督と細かく話して作りました。参加した全ミュージシャンが魂を込めて120%の力を出してくれました」と感謝の気持ちを語った。さらに「原作を読んでいる時から音が聞こえてきて、勝手に曲を書いていた。じつはその楽譜が原作に載ってたりします」と仰天エピソードを明かした。   「大の音に近づけていくよう、上原さんと監督と常々相談していた」という馬場。石若は「どうやったら初心者の演奏のように聞こえるかを色々試した。スティックの持ち方を変えたりして『まだ上手すぎる?』と上原さんと馬場さんから客観的な意見をもらっていた」と語った。   また、馬場と石若が同じ札幌出身で幼少期から一緒に演奏していたと聞いてびっくりしたという上原。「この作品の大と玉田の関係と重なるところがあったので、こんなラッキーあるんだ!と思った。それもあって3人の関係に近い“JASS”を作り出すことが出来た」と募る思いを話した。   そして立川監督は「是非素晴らしい音楽チームの音と、それを乗せた映像も一緒に楽しんでもらいたい。大の台詞で『音で感情を伝えられる』とあります。音と映像を組み合わせて伝えることに邁進してきました。是非受け取って欲しいです」と、本作に込めた思いを観客へ改めて伝えた。  ©2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会 / ©2013 石塚真一/小学館