国内外で活躍中のAvec AvecとSeihoによる「Sugar’s Campaign」の新作に迫る!
10年代前半を契機に続々とポップ・シーンに名乗りを上げている日本の若手トラックメイカーたちの中でも、神戸のtofubeatsらとともに関西代表としてソロ名義でも高い人気を集める大阪出身のAvec Avec とSeihoの2人によるポップ・ユニット、Sugar’s Campaign。
お互いのソロでは海外の気鋭レーベルからのリリースや国外アーティストのリミックスを経験し、同時にJ-POPの人気アーティストのプロデュースも担当するなど国内外で活躍する2人が生み出すのは、様々な音楽を飲み込んだ普遍的なポップ・ミュージック。8月にリリースした2作目『ママゴト』では、「家族」をテーマに90年代J-POPにも通じる華やかさを獲得。akioやmomo、IZUMIといったお馴染みのヴォーカル陣に井上苑子らニュー・フェイスも加えることで、「好きな女の子にポテトサラダをつくる男の子」や「父親と娘の食卓」といった日本の日常をファンタジーに変える、ポップの王道を突き進んでいる。
――お互い音楽好きの場合、好きな音楽を交換して仲良くなったりすることも多いですが、2人が出会った大学時代の思い出で、印象に残っていることがあれば教えてください。
Avec Avec: Seihoに借してもらったCDを、僕が借りパクしたんですよ。
Seiho:あれマジで返せって(笑)。僕がたまたまCDを買ってから大学に向かったんです。そしたらTakuma(Avec Avec)に「貸して」って言われたんですけど……。
Avec Avec:まだ返してないんです(笑)。
Seiho:結局、僕は一回も聴いてないんですよ。
――(笑)。そもそも、2人はどんな風に仲良くなったんですか?
Avec Avec:僕はもともとウエストコースト・ロックが好きで、Seihoはジャズが好きで、その中間としてスティーリー・ダンやスタッフ(アメリカのフュージョン・バンド)のようなものが共通していたと思いますね。
Seiho:でも、「音楽を教え合う」みたいなことはあまりなかったよな?
Avec Avec:うんうん。
――もしかしたら、もともと詳しい人同士が出会っていたからなのかもしれないですね。
Seiho:ああ、そういう部分はあったのかもしれないですね。
――今回「家族」をテーマにした最新アルバム『ママゴト』が完成しました。Sugar’s Campaignはコンセプトを先に考えるタイプの人たちではありますが、今思うと新作に影響を与えたかもしれないアーティストや曲はあると思いますか?
Avec Avec:家族をテーマにした歌は沢山聴いたし、映画やアニメも色々観ました。麻枝准さん(『CLANNAD』の脚本など)が書く話とか、手塚治虫の『火の鳥』とか、連鎖する運命を描いたものに影響を受けたんです。音楽的に言うと、自分は“ママゴト”のメロディーにはアラン・パーソンズ・プロジェクトやトレイシー・ウルマンっぽさを感じるし、“いたみどめ”にはオブ・モントリオールみたいな雰囲気があるかな、とも思いますね。“ポテサラ”でブラジル音楽の要素を見つめ直したのはバカラックの影響が大きいと思います。もちろん、他にも自分のメロディーに影響を与え続けているものは沢山ありますけどね。
Seiho:あとは、結婚式の定番ソングにもなっているaikoさんの“瞳”。あの曲って、生まれてくる子供のことを歌っていますけど、女性って生まれた段階で、自分が子供を産むことや、産んだ子供がいつかお母さんになることを知っていると思うんです。だからこの曲は、結婚をしてない女の子が聴いても娘の視点で泣けるし、お母さんが聴いても泣ける。『ママゴト』は家族がテーマなんで、この感覚はどうにかして抽出したいと思っていました。
――9曲目のタイトル“1987”は2人の生まれた年ですよね?
Avec Avec:そうです。これは(これまでもSugar’s作品にヴォーカルや作詞で参加してきた)momoちゃんが考えてくれたんですよ。今回はmomoちゃんが歌詞を書いてくれた曲が増えていますよね。“SWEET HOME”の歌詞は(現在も作詞をサポートする、Sugar’s Campaignの結成メンバーのひとり)小川リョウスケくんが実際に帰り道に思っていたことをそのまま書いてくれたものです。あとは、(“ポテサラ”や“ママゴト”“レストラン –熱帯猿-”といった曲名にも顕著な)「料理」も今回僕らが意識したことでした。
――アルバム制作前の合宿でも、色んな可能性を試すことのひとつとして、Seihoさんが料理を作ってその写真をSNSにポストしていましたね。
Seiho:僕は料理って面白いと思うんですよ。どんな食べ方でもお腹に入ってしまえば結局同じなのに、僕たちは味付けをして、きっちり盛り付けて箸で食べる。食材をいかに美味しく食べるかを考える時に、味ではなくて見え方を気にするのって面白くないですか?
――ああ、確かに。
Avec Avec:それが「文化」だと思うんです。たとえば僕は、納豆を食べる時も急いでないのにパックのまま食べるのは好きじゃなくて、ちゃんと一回皿に出してから混ぜたい。「その方がおいしく感じる」みたいなことってあると思うんですよ。
Seiho:なぜそうなるかというと、料理が基本的に「他人にふるまうもの」だからだと思うんですよね。だからこそ色んなマナーが生まれるわけで、「コンビニで買ったものを公園で飲む」とか「マクドナルドでは肘をつく」とかも僕はマナーのひとつだと思う。ストリートナレッジもアカデミックなナレッジもそれぞれ状況に合った知識が必要で、マクドナルドでお行儀よく食べると逆にマナーに反してしまう。それで今回、せっかくなんで少し高いフレンチに行ってみたんですよ。そうしたらものすごく大きなお皿にちょこん……って料理が乗ってて、「これはヤバい。食べるという概念を超えてる」みたいになって(笑)。それでシェフの人たちと話したら「(料理を)超えていく」みたいなことを言っていたんです。
――この『ママゴト』も、人に聴いてもらうからこそ色んな偶然やバグを大切にして、前作で表現していた「あるあるを超えた」ポップ・ミュージックを作ろうとしていますね。
Seiho:そもそも僕自身、「こういう音がやりたいからこのバンドで集まろう」とか、「こういう年代の音楽がやりたいからそういう曲を作ろう」とか、そういうものが嫌になった時期でもあったんですよね。「偶然集まった4人が鳴らした音楽がこうでした」「それが後でどう処理されていくのか」という形じゃないと、音楽って成立しないと思うんですよ。
Avec Avec:これはソロの場合もそうで、まず音を出してみて、それがどういう意味かは後で見えてくる、みたいな。僕らにとっては音って崇高なもので、自分自身でもコントロールしきれない部分がある。今回の『ママゴト』では、そこを大事にしようと思ったんです。
豊富な知識や音楽への情熱を手に国内外の音楽シーンで活躍する2人の音楽は、圧倒的にボーダーレス。Sugar’s Campaignはもちろん、それぞれのソロ作品も楽しむことで、国内外の音楽を並列にして楽しめる現代ならではの魅力が、あなたにもきっと伝わるはずです。
■Sugar’s Campaign Website:http://sugarscampaign.com/
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ベネチアンマスクをつけたミステリアスな雰囲気と特徴的な“ガナリヴォイス”のギャップにハマると注目のヴォーカリスト、超学生。今年1月の配信シングルリリースに続き、2月15日(水)には待望の1stアルバム「超」をリリース。3月には自身初となるワンマンライブを日本青年館ホールで実施予定と勢いにのる彼に、今の心境を伺った。
1stアルバム「超」のテーマは「多様性」
「多様性には「お互いの要素を認め合おう」という意味がありますが、今回は特に(今までのルールや約束に縛られずに)「こういうことしてもいいよね」という意味合いも込めてテーマづけしました」
「メジャー初アルバムということで、やっぱりある程度の「約束事」ってあると思うんです。でも今回は、いったんそういうものを無視して作ってみました。聞いていただけると、すごくカラフルな楽曲たちだなと思ってもらえるんじゃないかな。作詞作曲にも幅広い方々に参加してもらいました。例えば、インゲルという曲ではバーグハンバーグバーグの品田遊さんに作詞していただいたり、ボカロPのすりぃさんや、ピノキオピーさんとのコラボ曲も収録しています。携わっていただいた方の「多様性」にもぜひ注目して欲しいです」
「インゲル」Music Video
初ワンマン「入学説明会」に向けて
−ライブタイトルとしては独特なネーミングですが、どのような思いが?
「メジャーとしてもワンマンとしても初めてのライブになるので、ある意味“自己紹介”というような意味を込めて『入学説明会』というタイトルを付けました。ライブとしてはなかなか珍しいタイトルですよね(笑)。「超学生」とはこういうものです、というのを感じていただけるライブにできたらと思います。でも、詳しい中身はまだ秘密です!」
ファンのコメントから生まれたボーカルスタイル
−超学生さんといえば、特徴的な“ガナリヴォイス”が人気です。そのボーカルスタイルが生まれたきっかけは?
「ファンの人からもらったコメントを反映していったら今のスタイルにたどり着きました。ダーリンという曲あたりから、より積極的にYouTubeを投稿するようになったのですが、コメントでファンの方が感想をくれるんです。例えば何分何秒のここの歌い方が好き!というように。そうか、ここの歌い方が好きな人が多いのか、と感想やリクエストを反映させていった結果、今のスタイルにたどり着きました。ある意味、ファンの方が作ってくれたボーカルスタイルでもありますね」
−海外ファンからのコメントも多いですが、人気の秘訣はどこにあると思いますか?
「それは僕も知りたいです!(笑)ぜひ教えて欲しい!自分で感じるのは、僕のちょっとざらっとした低い声の男性っぽい歌い方なのかなと思ってます。あとは、僕が楽曲によって衣装やメイクを考えるのが好きなので、そういった世界観が好きと言ってくれるコメントも多いですね。
「世界のいろいろなスタイルに挑戦してみたい」
今後は世界のいろいろなスタイルにも挑戦してみたいです。チャイニーズスタイルやアラビックなテイストとか。色々な国や文化の世界観にも挑戦したい!コメントをくれる海外の皆さんのアイデアも取り入れていけたらなと思ってます。なので、逆にぜひ本場を教えて欲しいです!何語でもいいので、遠慮なくコメントでリクエストを送ってくれると嬉しいです」
Information
Profile
超学生(ちょうがくせい)2001年生まれの注目の歌い手。11歳で初の「歌ってみた」動画を投稿して以来コンスタントに動画投稿を続け、現在は週1本のペースで新作動画を投稿。Youtubeでのカバー曲再生数3億回以上。ベネチアンマスク越しに覗く端正な顔立ちと、それに相反するような“ガナリヴォイス”が話題沸騰中。2023年2月15日(水)に自身初となるメジャーアルバム「超」をリリース、3月5日(日)には日本青年館ホールにて初のワンマンライブ「入学説明会」の実施が決定している。
公式ウェブサイト:https://chogakusei.com
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音楽で人の心に寄り添うZ世代の新星シンガーASA Wuの魅力に迫る
新星のごとく現れた台湾と日本にルーツを持つZ世代トリリンガルシンガー ASA Wu。キュートなベビーフェイスからは想像もつかないほど力強くパワフルな歌声は人々の心を魅了し、音楽業界のみならず様々な分野のクリエイターからの注目を集めている。2021年4月にデビュー曲「Bloomer」を発表以降、1st EP『omen』やその中の収録曲の1つであるセクシーなエレクトロニック・ダンス・ボム「MO-MO」のミュージックビデオをリリースするなどその勢いはとどまることを知らない。
そんな、ASA Wuの待望の新曲「Uncolor」が2022年4月8日(金)にリリースされ、オリジナルアニメーションを軸に “ファッション・アート・ミュージック” の各分野で才能を発揮するアーティストが集結するクリエイティブプロジェクト『Artiswitch(アーティスウィッチ)』の 一環として制作されるミュージックビデオシリーズにも採用され話題を呼んでいる。
今回は、未だベールに包まれたASA Wuの魅力を紐解くべくMOSHI MOSHI NIPPONがインタビューを行い、彼女の素顔に迫る。
音楽を目指したきっかけ
「小さい頃からずっと歌って、お家で歌ってショーとか自分でひらいてたりして。夜ご飯食べる時に、「今日のディナーショー!」とか言って、パパとかママに観てもらったりして。台湾では寝る前に、おばあちゃんにも一緒に聴いてもらっていました。それに、小さい頃は褒められてもあんまり喜ばない子供だった。家事とか手伝えば、褒めてもらえるから頑張って家事を手伝う子もいると思うけど、それよりも、ASAはみんなが自分の歌を聴いて喜んでくれる姿をみるのが1番嬉しかった。」
―ASA WU
ASA Wuが音楽の世界を目指したきっかけは幼少期に遡る。自分の歌声を楽しんでくれる家族の姿はまだ幼かった彼女の心を震わせ、歌手を夢見た小さい彼女の背中を押した。今でも変わらず家族の存在は彼女のモチベーションになっているとか。また、彼女の話し方にはまるで歌っているかのような暖かい印象があり、彼女にとって歌うことは天性の才能といっても過言ではない。
音楽とASA Wu
「ベタかもしれないけれど、自分にとって音楽を表すなら「NO MUSIC. NO LIFE」。例えば、悲しいことがあった時、ストレスがあった時に、どうするの?って。人それぞれリフレッシュの方法があると思うけど、色んなものがあるなかで、その方法が私にとっては音楽だった。音楽は1番簡単に、気分を変えられるし、自分をポジティブな気分にしてくれたり、聴くことでやる気が出るかもしれないし、聴くってすごい簡単なことだけど、大きな行動に繋がると思う。だから、そういう音楽を、自分が歌って音楽で届けられるようになりたい。」
―ASA WU
彼女にとって音楽は人生そのものだろう。人生の中で遭遇するネガティブな感情やストレスなど様々な葛藤と向き合い乗り越える時、また、心が晴れるような瞬間も音楽は彼女と常に寄り添う。歌詞を書く際は、自分の頭の中でイメージしたストーリーに登場する主人公の感情や、日々ノートに書き綴っている人生の気づきからインスピレーションを得たりと、エモーショナルなアプローチをとることが多いという。人々がまだ知らない、感じたことがない気持ちを自身の歌を通して共有したいという思いが込められており、それはまた、音楽に支えられてきた彼女自身のように、自分の歌で人々の心に寄り添いたいという彼女の信念からきている。
「Uncolor」MV
新曲「Uncolor」について
新曲「Uncolor」の作詞制作プロセスでは、先に出来上がっていたストーリーとビートからイメージを膨らませ「暗闇と光」が共存する世界観を歌詞で表現した。彼女が歌詞の中で特に好きなラインは歌い出しの「どんなColorにも 見えない Night Sky」や「Feeling Sad さみしい色の空 君がいた」だという。その理由について彼女は、「空って、夜の空は黒といえば黒かもしれないけれど、自分の心の具合によっては、どんな色にも見えるかなと思って、そういう言葉を並べました。そして、歌詞の中の「My friends」は地球のみんなに届くように、「みんな友達だよ」という思いをこめて書きました」と語った。レコーディングの際は、歌声でどのように人々にこの想いを届けられるかを意識して、歌声で色付けるように部屋を暗くして挑んだとのこと。
“ファッション・アート・ミュージック” 各分野のアーティストが集結するプロジェクト『Artiswitch』では、「Uncolor」と共に大人気イラストレーターのNANCYSNAKEとコラボレーションを発表しメロディーとビジュアルでストーリーの世界観を表現した。
ASA Wuにとってコラボレーションとは、アーティスト個々のそれぞれのカラーが重なり合って新しい色に出会うことができる発見のようだという。また、それは新しい自分との出会いともいえるだろう。変幻自在に音色を奏でるこれからの彼女の新しい色にも期待が高まる。
彼女は自分の音楽を聞いてくれる人に対して「自分が音楽で伝えたいこともそうだし、歌詞を書いてくれる人がいたら、その人が世界に伝えたいことも自分の声で伝えられたらいいなって。聴いてくれてる方からのメッセージからも、「この人はこういうこと考えてるんだ」っていうのを吸収して、そういうのも共感を得られると思うから、そういうのを自分の声で歌って、「ASAちゃんがこういうことを歌ってくれて良かった」って思ってもらえるような音楽を広めていきたい。ASA Wuの曲を聞いていてよかった、応援してきて良かった、と思ってもらえるようなアーティストに絶対なるので、みんな楽しみにいっぱい応援してね!」と満面の笑顔で語った。ひとの心に音楽で寄り添うASA Wuは、これからも唯一無二の音色で人の心に光を紡いでくれるだろう。そんな彼女のメッセージ性溢れる新曲「Uncolor」を聞きながらそっと一息、深呼吸してみては?
TEXT:Natalie(MOSHI MOSHI NIPPON)
ASA Wu
Instagram:https://www.instagram.com/asawurarara/
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCodMTlxqMqMr4_EGGY3ilYw
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ソニーミュージックとJYPエンターテインメントの合同オーディション・プロジェクト「Nizi Project」から生まれた9人組グローバル・ガールズグループ 「NiziU(ニジュー)」。国内音楽配信サイトで86冠、全世界の音楽配信サイトでは109冠、NiziU初のMusic Videoが、公開開始後16日間で驚愕の5,000万回再生突破など数々の快挙を達成。そして、「Make you happy」のMusic Videoで披露した “縄跳びダンス” がいよいよ社会現象になっている。
この話題沸騰の「NiziU」が誕生するまでの軌跡を本人のロングインタビューで振り返る「NiziU 9 Nizi Stories」を2020年7月30日(木)からHuluで独占配信。地域オーディション、東京合宿、韓国合宿の様子など、一人ずつがそれぞれ感じた想いを語りながら「Nizi Project」を振り返る。ガールズグループを目指すきっかけとは?何に歓び、何に苦労したのか?今の心境は?他のメンバーから見てのイメージは? J.Y. Park氏はどんな印象?これからどんなアーティストになりたいか?各話主役9人のデビューメンバーと一緒に、「Nizi Project」の1年を振り返ろう!
©Sony Music Entertainment (Japan) Inc./JYP Entertainment.
Information
配信スケジュール 毎週木曜日20時に1話ずつ追加配信
7月30日(木)マコ ※初回配信
8月6日 (木)リオ
8月13日(木)マヤ
8月20日(木)リク
8月27日(木)アヤカ
9月3日 (木)マユカ
9月10日(木)リマ
9月17日(木)ミイヒ
9月24日(木)ニナHulu:https://www.hulu.jp/
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台湾で初ライブを実施したsora tob sakanaに台湾モデルの紀ト心(Kimi)がインタビュー!
8月10日〜14日まで台北市で開催されていたイベント「台湾漫画博覧会」。ステージでは日本のアーティストがステージを盛り上げており、今回MOSHI MOSHI NIPPONでは、初めて台湾でライブをしたというsora tob sakanaにインタビューを実施しました。
レポーターを務めたのは台湾の人気モデル紀ト心(Kimi)ちゃん。
紀ト心(Kimi)ちゃんが気になっているあんなこと、こんなことをsora tob sakanaのメンバーに質問します!
紀ト心:はじめまして、私は台湾でモデル・タレントをしている紀ト心です。今回はみなさんと音楽やファッションについてお話しできることを楽しみにしています。私のことはキミちゃんって呼んで下さい。それではまずみなさんの自己紹介をお願いします。
神﨑:神崎風花、15歳です。
山崎:山崎愛(まな)、13歳です
寺口:寺口夏花、16歳です
風間:風間玲マライカ、16歳です。
紀ト心:ありがとうございます、みなさんとっても若いですね!それではよろしくおねがいします。
紀ト心:sora tob sakanaのみなさんは、台湾に来るのは初めてですか?
全員:はい!
紀ト心:台湾のライブはどうでしたか?日本と何か違うところはありましたか?
寺口:日本とはすごく違った環境だったのですが、みなさん楽しんでくださっているのが伝わってきました。
紀ト心:衣装はとてもかわいいですね。何かテーマがありますか?
山崎:なんだっけ?
神﨑:んーテーマ・・・?
風間:この髪飾りにテーマがあったような・・・
寺口:あ!この髪飾りがアワビです。
紀ト心:髪飾りだけでなく、フリルのような飾りも海っぽい気がします。
山崎:たしかに!いつも白をベースにしている衣装が多いんです。
風間:透明感のある感じです
紀ト心:そうなんですね。ちなみに、普段はどんなファッションが好きですか?
寺口:原宿っぽい服も着ますし、風花とかは大人っぽい服を着ていることが多いです
レイは、柄のある洋服をよく着ていて、まなちゃんはパーカーとショートパンツ。
紀ト心:みなさんそれぞれ色々なファッションをしているんですね。台湾で買い物はしましたか?
山崎:買い物には行ってないのですが、九份に昨日行ってきました!
紀ト心:では買い物はまだ行ってないんですね!みなさんに台湾を楽しんでほしいので私のおすすめのスポットを紹介させてください。
全員:うれしー!!
紀ト心:台湾の西門町は渋谷っぽい雰囲気で、おすすめです。安くてカワイイ洋服がたくさん売ってるんです!ぜひ行ってみてください。東区にはオシャレなカフェもあるので、そっちもオススメです。また台湾に遊びに来た時は行ってみてください。
全員:絶対来たい!
>>次のページ Kimiちゃんオススメの台湾観光スポットを紹介!
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世界から注目を集める新世代の歌姫。Young Juvenile Youth・ゆう姫が語る「ポップミュージック」の新境地
21.December.2016 | MUSIC
カセットと配信のみというフォーマットで新作“Youth / A Way Out”をリリースしたYoung Juvenile Youth。“A Way Out”は、近未来の東京を舞台にした映像作品『blind』で世界から注目を集めた、ショウダユキヒロ監督作のアートフィルム『KAMUY』に使用され大きな話題となった。
Young Juvenile Youthは、シンガーのゆう姫と電子音楽家のJEMAPURによるエレクトロニックミュージックデュオ。2015年には、iTunesが世界中のニューカマーの中から厳選する 「NEW ARTIST スポットライト」にも選出され、国内外から広く評価を集める存在となった。今回、2016 春夏シーズンにローンチされた<アディダス オリジナルス“Future”キャンペーン>のグローバル・インフルエンサーに日本人で唯一抜擢されるなど、音楽だけにとどまらない活躍を見せるゆう姫にインタビューを行った。
新作“Youth / A Way Out”についてはもちろん、JEMAPURとの出会いや、自身も出演し村上虹郎とも共演を果たした『KAMUY』についてなど幅広い話題について語ってもらった。
――まずはゆう姫さんのこれまでのキャリアを紐解かせていただきたいんですが、Young Juvenile Youthを始める以前、バンドをやっていたこともあるそうですね。
そうですね。やっていたって言うほど、長く活動していたわけではないんですけど、カナダに留学していた高校生の頃からちらほらやっていました。
――高校でカナダ、その後、アートを勉強するためにアメリカの大学に留学していたそうですが、留学以前以降で変わったこととは?
当たり前ですけど、一番大きかったのは言語の違い。そして、カナダ、アメリカ……その間、日本に帰ってきた時期もあるんですけど、自然と邦楽を聴かなくなりましたね。そして、ジャケ買いをしたり、アコースティックやフォークな音楽を聴くようになったり、洋楽にどんどんのめり込んでいったし、歌うだけじゃなく、ギターを弾きながら曲を作るようにもなりました。
――では、大学で学んだアートはいまの音楽活動にも影響していると思いますか?
当時、学んだことで今の音楽に直接影響していることは……特にないかな。ただ、アートを目指す人たちと一緒にいたことは大きいです。通っていた学校では日本人が私一人だけだったので、友達はアメリカ人だけでしたね。それで年や専攻分野も違う人たちが集まって Tシャツの会社を始めたんです。その皆でクリエイティヴな話をするのが楽しくて、学校そっちのけだった時期もありました(笑)。ただ、留学してもアート専門の大学に行っても、やりたいことが漠然としていて、どうしようっていう焦りがずっとありました。でも自分が好きなものを辿っていくと、やっぱり、音楽だったんですよね。だから音楽と関わりのある仕事が出来ないかと模索していて、そんな中とある女性アーティストをプロデュースしたいと思って、トラックメーカーを探し始めたんです。そしたら、JEMAPURの曲が使われている映像がYouTubeでバズっていて、知り合いから「この映像すごいよ」って教えてもらったんですけど、「映像もすごいけど、音楽がヤバい。誰だろう?」って調べてみたら、“静岡在住のアーティスト:JEMAPUR”ってことが分かって。東京在住だったら、すでに誰かにピックアップされていたんだろうけど、ホント失礼な話で、静岡在住っていうアングラ感にも惹かれたんですよね(笑)。
――彼には静岡時代にSkypeでインタビューしたことがあるんですけど、つまりは地方にいながらにしてネットを活用して音楽活動を行っていた新世代の電子音楽家ですよね。
そう、それで彼にコンタクトをとって、プロデュースの話をしたら、「何でも自由自在に出来るし、ちょうどヴォーカルものに興味があった。」と。その後、プロデュースのプロジェクトは消滅してしまったんですけど、彼とはSkypeで時々やりとりするようになったんです。
――かつてバンドをやっていたゆう姫さんは、後にJEMAPURとYoung Juvenile Youthで作ることになるエレクトロニックミュージックのどういう部分がお好きですか。
元々生ドラムが激しく入ったような音楽はあまり好きじゃなくて。アメリカ留学時代の影響もあってテクノやハウスも好きだけど、静かな音楽や、サイケデリックなサウンドだったり、丸くて硬いビートが大好きです。 まぁ、そういう好みも時と共に徐々に変わりつつあるんですけどね。
――サイケデリック・フォークというと、例えば、アニマル・コレクティヴはエレクトロニックミュージックの要素もありますよね。
まさに。アメリカでは、アニマル・コレクティヴしか聴いてなかった時期もあるくらい大好きですね。音楽的な影響を受けたというよりは、例えば2007年の“Fireworks”を初めて聴いた時のようなワクワクするというか高揚感を感じられる音楽を自分も作りたいと思う、だからそういういう意味では影響されたかもしれないですね。
――そして、ゆう姫さんがプロデューサーからJEMAPURと組んで再び表立って音楽活動を始めた経緯というのは?
彼とSkypeでやりとりしていく中で、自分で作った曲を聴いてもらったりしていて、 ある時、JEMAPURから「良い声をしているから一緒に作ってみようよ」って言われて。そして、実際に東京で会って、会ったその日に曲が出来て、「これは面白くなりそうだね」ってなって。その後も東京と静岡で曲のデータをやりとりするようになったんです。彼がトラックを送ってくると、電車に乗っていようが、バスに乗っていようが、アイデアが浮かんだらすぐスマートフォンでメロディーや浮かんだ歌詞をメモ録音しました。バスが走るガーッっていうノイズもそのまま入ってしまっていたりしてましたけど。そうすると JEMAPURからまた音が返ってくるっていう。そのやり方があまりにスムーズで、本当に衝撃的でした。バンドをやっていた頃は、自分のアイデアが全く想像してない形で返ってくることがなかったので、やっていても意味ないなって思って止めてしまったんですけど、JEMAPURとのやり取りには求めていたマジックがあったんですよ。
――そして、2013年にはYoung Juvenile Youth初めての作品“Anti Everything”と“More For Me, More For You”が2枚のヴァイナルでリリースされましたが、現在の作風よりもダンストラックに寄った内容ですよね。
そうですね。初期衝動だったり、今と比べて、2人が遠慮がちだったり、離れた距離感で探り合っている感じが曲に表れているような気がするし、トライアルとしてはちゃんと歌が乗っているヴォーカルテクノが作りたかったんですよね。そんなこともあって、自分たちもその2作は、Young Juvenile Youthのファースト・ジェネレーションと呼んだりしてます。
――そして、それから1年半後にリリースされたミニアルバム『Animation』は、iTunesの「NEW ARTIST スポットライト」に選出され、大きな話題になりましたが、この作品はポップでいて、ミニマルでディープな作風にまとまりましたよね。
そうですね。まだまだ発展途上ですけど、JEMAPURと曲のやり取りを延々と続けたことで、Young Juvenile Youthの色が徐々に統一されはじめた、そんな手応えを感じた作品でしたね。私としては、基本的にダンスミュージックを作りたいわけではなく、ポップミュージックを作りたいんです。そういう曲を作るのか、それとも世間にそう評価してもらうのかは分かりませんけど、自分のなかではポップミュージックであることを常に念頭に置いていますね。
――JEMAPURのトラックそれ自体は非常にエッジーなものだと思うんですけど、ゆう姫さんがそこに加えようとしているポップ感覚とはどういうものなんでしょうね?
分かりやすさっていうことかな。私は抽象画を見る時に、試されるような気分になるというか、自分とかけ離れ過ぎた感じがなんか苦手なんですけど、シュルレアリスムは現実と繋がっている部分が垣間見られて、想像が膨らみやすい気がします。そういう分かりやすさが好きなんですよ。一方で分かりやすくても、想像が掻き立てられるものでなければそれは芸術じゃないと思うので、私としてはその絶妙なところを追求したいと思っているんです。
――5月に配信のみでリリースした「Hive / In Blue –EP」の“Hive”は非常にポップ度の高い1曲でしたよね。
そうかもしれない。あのEPを作った頃は『Animation』をリリースした後、ライブの機会が増えて、もっとお客さんとつながりたいっていう思いが強くなっていた時期だったんですよね。だから、ライブで盛り上がるというか、もっと話しかけるように歌える曲を作りたいと、2人で話ながら作ったものです。
――そして、今回、カセットと配信で新作“Youth / A Way Out”のリリースと体験型アートフィルム『KAMUY』の公開が同時に行われましたが、どちらの制作が最初に始まったんですか?
『KAMUY』です。去年9月にショウダユキヒロ監督と偶然バーで知り合ったんです。私はもともと彼の作品のファンで、彼と知り合いだったJEMAPURに紹介してもらい、 「何か一緒にやりたいです!」って伝えたんです。私、普段はそういうことを言えない性分なんですけど、ここは言うしかないと思い立って、熱い想いを伝えました。それから一緒に遊ぶようになって仲良くなったらその延長線上で「じゃあ、何か撮っちゃおうか。でも、どうせ撮るなら、ミュージック・ビデオを撮っても面白くないから、アート作品を作ろうぜ」ってことになって。念願だったのでその言葉はすごく嬉しかったです。ショウダ監督のテーマをベースに、参加スタッフがみんなでアイデアを出し合って作り上げた作品ですね。
――ゆう姫さんと村上虹郎くんが出演することになったのはどのタイミングで決まったんですか?
どういうものを作るか決まる前にショウダ監督から「作品には出たい? めっちゃ出たい? それとも音楽だけ?」って訊かれて、 「テーマにもよりますよね」なんて言っていたんですけど、よくよく考えたら、「出たいに決まってる!」って思って、「すいません。出たいです!」ってメールを送ったら、ショウダ監督から「だよね」って返ってきたんです(笑)。虹郎くんに関しては、映画のプロットが決まって、生き残った兵士の役は誰がいいかという話になり、虹郎の名前が挙がったので、私がInstagramですぐに連絡を取りました。「Young Juvenile Youthの曲が好きだから、なんでもやるよ!」って言ってくれて、出演の運びになったんです。
――映像の斬新な手法や効果であったり、虹郎くん演じる生き残った兵士が妊娠する設定、生と死や人間の進化にまつわるテーマが盛り込まれた『KAMUY』の作品世界とYoung Juvenile Youthの音楽はどのようにリンクしているんでしょうか?
映画と音楽のつながりですか? 言葉にするのは難しいんですけど、同じところを見ている人たちが集まっているので、話を作り上げていく段階で、会話がノンストップで続いちゃう感じでした。映画の未来的な、宇宙的な世界はYoung Juvenile Youthにもインスピレーションとして重要な要素なので、そういう意味で繋がりは確かにあるんですよね。
――一方で、プロジェクトの音楽サイド、『KAMUY』で使われている“A Way Out”の制作はどのように進めていったんですか?
デモの曲の中から何曲かショウダ監督に聴いてもらい、“A Way Out”が良い!と選んでもらいました。映画の全体像が見えてきた頃に曲に要素を加えたくなって 、最後のパートを足したり、(AUDIO ACTIVEの)Cutsignさんにギターを弾いてもらったりして、映画と同時進行で曲をビルドアップしていったんです。
――もう1曲の新曲“Youth”は大阪在住のエリック・ルーブスとの共作で、ゆるくハウシーでポップな1曲になっていますね。
彼は最初の作品“More For Me, More For You”のリミックスをMagical Mistakes名義で手掛けてくれた経緯もありつつ、新しい曲では誰かとコラボレーションしたら面白いよねっていうところから、最初に思い付いたのがエリックだったんですよ。私とJEMAPUR、そしてエリックの3人のいいとこ取りをした曲になったと思います。
――映画しかり、“Youth / A Way Out”しかり、今のYoung Juvenile Youthにはコラボレーションだったり、新しい風を求めている気運を感じます。
そうですね。次のステップに行くためには何か新しいエッセンスが欲しいかなって。私の歌い方も含め、今は色んなことをやってみて、何が自分たちにフィットするのかを模索していて。“Youth / A Way Out”のリリース形態もそう。せっかくリリースするなら、配信だけでなく、真逆のアナログ・フォーマットも欲しいねってなった時に、「カセットもいい音するんだよね」というレーベルサイドの提案も受けて、2つのフォーマットで出すことを決めました。新しいことにどんどんトライしていくのは楽しいです。
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Official website:http://yjymusic.com/
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もしフェスのステージを彩ってくれたアーティストに突撃インタビュー!初のワールドツアーを終え、世界進出を果たしたBAND-MAIDにお話を聞きました。
BAND-MAID、ワールドツアーでの思い出は、最高のお給仕とお味噌汁?!
—初のワールドツアーお疲れさまでした! 感じたこと、新鮮だったことはありますか?
小鳩ミク(以下小鳩):やっぱり初めての海外でのツアーだったので、ご主人様・お嬢様(ファン)が、お給仕(ライブ)にご帰宅してくださるかなという不安がとても大きかったんです。でも、想像以上の数の方がご帰宅してくださって、嬉しい衝撃でした。反応も日本より熱いというか、ダイレクトな印象でした!
AKANE:私が一番ワールドツアーで感動したのは、どこの国の方も日本語で歌ってくださったこと。鳥肌が立つくらい嬉しかったです! 日本語でしっかり覚えてくださってるんだ!って
KANAMI:歌もそうだけど、全部の国で会話とかMCでも、「こんにちは」「ありがとう」って声をかけてきてくれたり、「大好き」とかまで言ってくれたりして、てすごい感激したよね!
彩姫:ほぼ言われちゃった…。そんな感じです…。スペインの料理は美味しかった! でも、日本の料理が一番好きです。
全員:<<爆笑>>
—MISAさんはお酒が相当お強いんですよね? それぞれの国で飲みました?
MISA:飲みました! 誕生日をドイツで迎えたんですけど、ステージドリンクでジャックダニエル(ウィスキー)を自前で持ってきてアンプの上に置いてくださっていて…。それが嬉しくて印象的でした。
小鳩:ステージドリンクは絶対お酒だもんね。浸透してたね!
MISA:最高だった! 小鳩も向こうで誕生日を迎えたんですよ。
小鳩:そうなんです。私もポーランドで迎えました。御給仕でご主人様・お嬢様がサプライズでバースデーソングを歌ってくださって、すごく嬉しかったポ!
—その国々の言葉を覚えていったりはされたんですか?
小鳩:基本的にMCは小鳩がやっているんですけど、簡単な挨拶はしゃべれるように努力はしました。でも、伝わっていたかは定かではないですポ…(笑)
—日本のバンドとして、世界から注目をされているってすごいことですよね。今後の展望はありますか?
小鳩:目標として、「世界制服」を掲げているので、行ったことのない国にどんどん行って、御給仕をしたいと思っています!
—個人的に行きたい国は?
KANAMI:ロシア!
小鳩:オランダ!
彩姫:最終的に日本に帰ってこれれば…。でも、ヤバいとこ行くのもいいですね。アフリカとか。ここでライブすんの?みたいな場所。民族の方とかいるとことか。絶対にお味噌汁は持って行きます。
全員:<<爆笑>>
KANAMI:今回のツアーでもみんな持って行ったね。
AKANE:海外でのお味噌汁、すごい感動だった!
小鳩:めっちゃ美味しかったよね。
彩姫:フリーズドライに感謝した。
小鳩:そんな感じで、お味噌汁を武器に、どんどん世界征服をできたらと思います!(笑)
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BAND-MAID
<Profile&News>
小鳩ミク (Gt/Vo.)、彩姫(Vo.)、KANAMI(Gt.)、AKANE、(Dr.)、MISA(Ba.)からなる5人組ロックバンド。ミニアルバム『Brand New MAID』でメジャーデビュー。キュートなメイド服姿とハードなサウンド&パフォーマンスのコントラストが話題に。結成当時から世界を意識し、「世界征服」の野望通り、初のワールドツアーも成功におさめる。
2017年1月11日にはメジャー1stフルアルバム「Just Bring It」をリリース。CDジャケットは、人気イラストレーターのeimiがデザインを担当し、満月を前にメンバーの小鳩ミク(Gt/Vo)、彩姫(Vo)をイメージした少女たちが描かれ、一見可愛らしいデザインになっているが、ジャケットデザイン全体を見てみると、「ドクロ」が浮かび上がるというBAND-MAIDらしい、「可愛らしさ」と「カッコ良さ」が共存する作品が完成している。
また、BAND-MAIDのオフィシャルHPにて「Just Bring It」の全楽曲を公開し、2017年1月9日の正午までの期間限定で試聴できるとのこと。是非チェックしてみてほしい.
Official HP:http://bandmaid.tokyo
Official Facebook:https://www.facebook.com/bandmaid/
Miku Kobato’s Twitter: @miku_bandmaid
Saiki’s Twitter: @saiki_bandmaid
Kanami’s Twitter: @kanami_bandmaid
Akane’s Twitter: @achi_bandmaid
Misa’s Twitter: @misa_bandmaid
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MOSHI MOSHI NIPPON FESでランウェイを彩ってくれたモデルにインタビュー!日本でも話題急上昇中・台湾モデル紀ト心ちゃんに、お話を聞きました。
日本語のお勉強中の紀ト心ちゃん! 思わず、飛び出した日本語はアレ!
—今日のもしもしにっぽんフェスティバルの感想は?
「去年も参加させてもらったのですが、今年は去年よりもブースも増えて、賑わっていたような気がしました。とっても楽しかった。ぺこやあゆみ(瀬戸あゆみ)など、好きなモデルさんともご一緒できたのがうれしかったですね」
—今日のファッションもとてもお似合いですね! 日本と台湾は、ファッションの違いはありますか?
「うーん、日本の方が色をたくさん使っている気がします。台湾は暗めの色のファッションが多いというか、もう少し保守的な印象がありますね。私は、色や柄など、日本の原宿ファッションが好きで、色々参考にしていますよ! 雑誌やインスタグラム、テレビなどいろんなものから吸収しています」
—たしか、お買い物も原宿が多いとか!
「そうですね! 原宿の街も大好き! お気に入りのお店がたくさんあるので、日本に来たらいつも、たくさん買って帰ります。今回は、スケジュール的にあまり時間がなかったので、次に来る時またゆっくり見たいです」
—他に日本の文化で好きなものはありますか? 食べ物とかはどうでしょう?
「昨日は、牛カツを食べました! あと、HARBSのケーキが大好きです。すごくおいしい!(日本語で)日本と台湾は、お料理とか味覚が似てる気がします。来日中はなんでも美味しく食べていますよ!」
—今、日本語が! とっても自然でした!
「おいしいは覚えました(笑)。でも、今勉強をし始めたところなんです」
—お勉強熱心ですね! 最後にこれからやりたいことを教えてください。
「日本も日本のファッションも大好きなので、これからもっと日本でのお仕事に挑戦したいです。イベントや雑誌やメディアなどで、幅広く活動ができたらと思っています!」
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紀ト心(kimi)
profile
1995年5月12日生まれ。台湾出身の人気ブロガーでモデル。台湾で「中学生の女神さま」と呼ばれ、ティーンから絶大な支持を受けている。キュートなムードと、POPでカラフルなファッションセンスが人気で、日本でも話題に。最近はイベントへの登場や雑誌やフォトブックなど撮影で、度々来日している。
Instagram:@eatzz7
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インタビュー:「日本人特有の言葉選び、空間を意識した音作り」を追求。世界基準の新星SSW・向井太一
日本で今旬のアーティスト、starRo、yahyel、grooveman Spot、JiNeous、CELSIOR COUPEらを作曲家として迎えた最新作『24』をリリースした、シンガーソングライター向井太一。
自身のルーツであるブラックミュージックをベースに、エレクトロニカ、オルタナティブ、アンビエント、ジャズなどジャンルレスな音楽性と「日本人特有の言葉選び、空間を意識した音作り」で独自の立ち位置を確立しつつある、今日本で最も注目すべきアーティストの1人だ。
また、向井はシンガーソングライターとしてだけでなく、モデルとしても活躍。人気メンズファッション誌『men’s FUDGE』のウェブサイトでコラムを執筆。さらに、Instagramのフォロワー数は1万を超えており、抜群のルックスとセンスで若者を中心に多くの支持を集めている。
そんな向井太一にインタビュー。日本のお気に入りの場所、今海外で一番刺激を受けているアーティスト、海外進出についての想いなど幅広い話題について語ってもらった。
——向井さんは福岡出身ですが、東京と福岡の一番の違いは何ですか?
僕は18歳の高校生までしか福岡にいなかったので、正直大人になってからの遊び場所は知らないんです。ただ、強いていうなら実家があるので、いつどんな自分でも帰れる場所でしょうか。そんな場所があるからドッシリ構えて東京で頑張れてる気がします。
自分以外のことで言うと、東京は何事に対してもオープンな場所だなと。新しい音楽も入ってきやすいし、ファッションもさまざま、街によって県によって違いがあって、飽きない所です!
——東京でお気に入りの場所はありますか? あれば場所も教えてください。
世田谷にある等々力渓谷はよくいきます。都心とは思えないほど静かで、何も考えずにふらっと散歩します。あと猫がよくいるので好きな方にもオススメです。
向井太一 /24
向井太一 / THINKING ABOUT YOU
——2nd EP『24』について、聴きどころ、こだわったポイント、ご自身が一番気に入っている曲など教えてください。
今回は割と挑戦的なトラックの要素が強いです。なので歌詞の面ではあえて全部日本語で書いて絶妙な『違和感』を意識しました。トラックメーカーも旬な人たちを使っているので僕自身とても楽しみながら作った作品です。
向井太一 / SLOW DOWN
——今年一番聴いたアルバムを教えてください。できればなぜそれを一番聴いたかも教えていただきたいです。
今年はEPに向けて新旧含め色々聴いたんですけど、一番密度が高いのは宇多田ヒカルさんの『Fantôme』。昔から大好きだし、〈Tokyo Recordings〉の小袋さんやKOHHさんなど新しいアーティストも迎えての作品たちに度肝抜かれました。
——今一番刺激を受けている海外アーティストは誰ですか?
最近よく聴くのはHeyley Kiyoko。新譜ではないんですけど、最近知って調べたらミュージック・ビデオとかのディレクションも自分でやっていて、それがとても素敵でした。僕もミュージック・ビデオや写真など色々なことを考えるのが好きなので、いつかそういうこともやってみたいなと。あと日系のアメリカ人で同い年だったので、そこもなんだか親近感です(笑)。
——最後の質問です。向井さんの音楽からは洋楽の影響を多分に感じるのですが、将来は海外進出も考えていますか? また、海外でライブをしてみたい場所、共演してみたいアーティストがいれば教えてください。
勿論! やりたいことは沢山あるし、まだまだ出来ないことも沢山あるけど、いずれはやってやろうと思っています。7月にLAでライブしたときは本当に緊張したけど、楽しかった。個人的にはアジア圏は勿論、ヨーロッパやドイツなどでも演奏してみたいと思います。
■Information
向井太一
Official site:http://www.toysfactory.co.jp/artist/taichimukai/
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【インタビュー】欧州フェス出演など、国内外でも活躍中のtricot、ドラマー不在の中での挑戦を振り返る
2010年の結成以降、メンバー全員のセッションから生まれる変拍子を多用した演奏とメロディとが複雑に絡み合う音楽性で人気を集めてきた3人組ロック・バンド、tricot。その唯一無二の音楽性から、15年の2ndフル・アルバム『A N D』では英音楽誌NMEにインタビューが掲載され、ヨーロッパでの音楽フェス出演に加えてロンドンでのピクシーズのライヴのオープニング・アクトに抜擢されるなど、ここ数年は日本国外へも活動の幅を広げている。
そんな彼女たちによる初のライヴDVD『KABUKU TOUR 2016 FINAL at AKASAKA BLITZ』は、現在のバンドの魅力が凝縮された1枚。オーディションで選ばれた4人のドラマーと共に制作した16年の最新EP『KABUKU EP』(「KABUKU」は歌舞伎の語源で「風変わりな」「常識にとらわれない」という意味)に際して行なわれた東京でのツアー・ファイナルの様子を収録し、様々なドラマーとtricotが生み出す豊かなケミストリーが楽しめるものになっている。
――15年の2ndアルバム『A N D』には、様々なドラマーの方を迎えた楽曲が収録されていましたね。これはどんなアイディアで実現したものだったんですか?中嶋イッキュウ:14年にドラマーのkomaki♂が脱退してから2年ぐらいサポートを入れて活動してきて、15年の『A N D』では一緒にやりたいと思っていた憧れの人たちにダメ元でお願いをしたんです。それもあって、『A N D』では胸を借りているような気持ちでしたね。
――そして16年の『KABUKU EP』では、オーディションで選んだ4人のドラマーと制作しています。これは『A N D』の頃と比べて、どんな作業になったと思っていますか。
『KABUKU EP』では逆に「tricotでドラムを叩きたい」という思いを持った人たちと作ることが出来たので、そういう意味では間逆の経験でしたね。こっちも頑張らないといけないなと思ったし、純粋な気持ちで作ることができたというか。4人のドラマーに引っ張られて、こっちも演奏がパワフルになって、初期衝動が戻ってきたような感覚でした。
――そうして4曲を作った後に、ドラムレスの1曲目 “Nichijo_Seikatsu”を加えた、と。
中嶋:そうですね。4人のドラマーと4曲が出来た時に、それぞれの曲の「一曲入魂」感が強くて、「これだとEPとしてまとまらない」と思ったんです。それで、3人だけの曲があれば面白いと思ったんです。tricotはもともとコーラスも好きなバンドなので、コーラスワークを生かした“Nichijo_Seikatsu”が頭にポンッ!とあったら、全体のストーリーも見えると思ったんですよ。
――ドラムレスの“Nichijo_Seikatsu”が最初にあることで、今回参加した4人のドラマーの個性もよく分かるような形になっていましたね。
中嶋:うん、そうですね。
――その“Nichijo_Seikatsu”を、今回のDVDに収録されているツアー・ファイナルでは、なんとドラマー5人と一緒に披露していますが、これはどんなアイディアだったんでしょう?
キダ・モティフォ:もともと『KABUKU EP』のリリース・ツアーを通してドラムを1人入れてやってきたというのもあって、ツアー・ファイナルではせっかくなので5人でやろうという話になったんです(笑)。
中嶋:誰が言い出したのか……(笑)。セットリストを決める時に、“Nichijo_Seikatsu”の直前に演奏した)“庭”を「5人でやろう」という話になって、その流れだったと思いますね。初めて合わせた時は、とにかくうるさかったです(笑)。サポートの山口美代子さんが仕切ってくれて、そこにみんなが合わせてくれてまとまりました。
――tricotはここ数年「ドラムをどうするか」ということについてすごく考えてきたんじゃないかと思うのですが、今回の制作を通して何か可能性を感じたりもしましたか?
中嶋:私たちの場合、もともとドラマーが抜けた時も、「ドラムがいないからどうしよう?」という気持ちではなくて、いないからこそ面白いことが出来るな、という気持ちだったんです。そのおかげで色んな人たちと一緒に演奏させてもらうことも出来ましたしね。でも、(tricotはメンバーのジャムから曲が生まれることが多いため)曲作りの面では、ドラマーがいないことで難しい部分があったんですよ。
――打ち込みに挑戦したこともありましたよね。
中嶋:そうですね。それはそれで勉強になったし、すごく楽しかったけど、今回は本来のtricotのやり方で作ってみようということになって。それで、ずっと一緒にやってくれるドラマーを探そうと思って、ヒロミ(・ヒロヒロ)さんの提案でオーディションを始めました。
ヒロミ:状況が変わらない感じが続いたので、「それならやってみればいいやん」と思って。そうしたら、ひとりには決められなかったんです(笑)。でも、いいと思った人全員とやるというのは、tricotにしか出来ないことだと思うので。
中嶋:落ち着いて一歩一歩進んでいくという形じゃなくて、熱量や勢いが出てきたような気がしますね。ずっと同じメンバーでやっているとどうしても冷静になってしまいますけど、今はまた自分たちも初心に戻れたような気持ちなんですよ。
――tricotは海外でもライヴを多数行なっていますが、こうした経験も、今のバンドに影響を与えていると思いますか?
中嶋:日本と比較する対象が出来たことで、今まで気付かなかった日本の秀でた部分を客観的に見付けることが出来ました。それをきっかけに伝統芸能にも興味を持って、その結果生まれたのが『KABUKU EP』だったんです。海外から帰国すると、まるで外国人として日本を訪れたような気分になりますね。
キダ:もちろん、日本人同士でも人それぞれ違いますけど、人も環境も日本と違うところはたくさんあると思います。日本にいると身近でヴィーガンの人と食事する機会はほとんどないし、何か特定の宗教を信仰している人も周りにはあまりいないので、そういった人たちに触れることで、単純に視野や自分の考えが広がったような気がします。
ヒロミ:日本とは文化も人も違うので、価値観がすごく変わりましたね。特に私は色々気にしぃな方なんですが、海外の人はすごくざっくりしてるというか。「自分は自分」という感じでそれぞれが好きなように楽しんでいたのがすごくよくて、私もそうありたいなと思うようになりました。
――海外と日本では、ライヴをしていても感覚が違うんでしょうかね?
キダ:海外のお客さんは、周りを気にしていなくて、「自分がいいと思えばいい」という感覚が強いような気はしますね。
中嶋:海外に行くと、私たちのことはまだ知らないお客さんが多いわけですけど、その中でも最初からひとりですごく盛り上がってくれる人がいたりして(笑)。そういうところは違いを感じます。
――海外も含めて、今後ライヴをしてみたい場所があれば教えてください。
中嶋:「インドネシア、プリーズ!」とコメントしてくれることが多いので、そろそろ行きたいです! あとは北海道を細かく回りたいですね。(ご飯も)美味しいし。
キダ:ブラジル、オーストラリアなど南半球にある国に行ってみたいです。赤道を越えて(ライヴでよく踊る)サンバを踊りたいですね。
ヒロミ:私も、やはりブラジルでしょうか。あとはインドも行ってみたいです。現地のカレーを食べてみたい。もちろんライヴがメインですよ!
――tricotには、本当に自由な雰囲気がありますね。ドラマーをオーディションして4人とEPを作ろうというのも、なかなか出てこない発想だと思いますし。
ヒロミ:それはやっぱり、自主レーベルで、自分たちのやりたいことを理解してくれるマネージャーと4人でやっているのが大きいんだと思います。半分呆れられてるかもしれないですけど、でも面白がってくれていて(笑)。だから、自分たちが面白いと思えることをやっていきたいですね。海外に行ったのも大きかったと思います。色んなことが分かった上で、最近は自分たちの好きなように、やりたいようにやれるようになってきているんですよ。
――これからどんなことをやってみたいですか?
中嶋:曲の拍子に限らず、時代やジャンルや楽器や国や年齢や性別にとらわれないで、自分の頭で思いつく「面白そう」と思うことは全てやって確かめてみたいです。一生遊んで暮らしたい。
キダ:今これといってやりたいことはないですけど、「あぁ、またあの人ら好き勝手にやってるなー」と人から言われるバンドでいたいですね。
ヒロミ:私も今具体的にこれをやりたいというのはないんですけど、思いつきで「これやろう!」ってなることが多いので、その時のその瞬間や気持ちを大事にして、これからもやっていけたらなぁと思います。
———
あらゆるボーダーを取り払って、「楽しいことがしたい」「まだ経験していないことをしたい」と新たな可能性を追究していくtricot。そうして生まれる3人の音楽には、聴き込むほどに様々な表情が顔を出す、不思議な中毒性が宿っている。
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弾き語りを基本スタイルにしながら、ジャンルにとらわれないアグレッシヴなライヴ表現や、女の子の本音を時としてエグいぐらい見せつけるミュージックビデオなどで、今、日本で最もリアルな女性シンガーソングライターと言える大森靖子。「FUJIROCK FESTIVAL」から「Tokyo Idol Fes.」まで出演を果たす稀有なアーティストであり、米メディアVICEの『noisey』で取材を受けていたりと世界規模でもにわかに注目を集めてきている彼女。
この度「ワンダーロマンス三連福」と題して、8月から3ヶ月連続のシングルリリース中だ。第一弾は自身が主役のジュレ役の声優も務めるWEBアニメ『逃猫ジュレ』のテーマソング「ピンクメトセラ」と「グッと<るSUMMER」の両A面。特に「ピンクメトセラ」には最新アルバム『TOKYO BLACK HOLE』にも参加し、また大森とは吉川友の「歯を食いしばれっ!」で共作しているサクライケンタをプロデュースに迎え、キャッチーなガールズポップという新機軸を聴かせているのも新鮮。しかしそこは”ブクガ”ことMaison book girlで、アイドルグループに変拍子などのアレンジを持ち込んだサクライケンタ。大森靖子とのケミストリーにも注目したいところ。
今回はこの第一弾シングルのリリース時期となった8月に彼女に直撃。当シングルを通して、“今、大森靖子が目指す新たなアーティスト像”を聞き出してみた。
—まず3ヶ月連続でシングルをリリースする理由から聞かせてください。
「ワンダーロマンス三連福」って銘打ってるんですが、競馬に三連複ってあるじゃないですか?あれの”複”って字を変えて。当たるかどうか分からなけれど、当たると”福”みたいなところで”ワンダーロマンス”ってつけてるんですね。3ヶ月連続なのは三連複から来ていて。今、私が知り合ってる人が音楽を通じて会った人しかいなくて、音楽を通じていろんな関係を築いていけるっていうのが、すごいことだなと思ってるんですね。
——今回の連続リリースにはテーマがあるのでしょうか?
今言ったように音楽を通じていろんな関係を築いていけているし、今後もひらめきを感じた人たちと仕事をしていきたくて。アレンジを他の人にお願いして、それによって自分の曲が変わったことや、その人の良さだったりをもっとみんなにも知ってもらいたい。「この人と仕事をしました」っていうのも言っていきたいし、そういうところを毎回ちゃんと楽しんでいきたいなっていうのがあるので、色んな人と関わって、作品をいっぱい作って行ってみようっていう3ヶ月です。
——「ピンクメトセラ」のアレンジは最初からサクライケンタさんにお願いしようと考えていたのですか?
はい。今回の『逃猫ジュレ』のお話をいただいてt.o.Lさんに最初にお会いした時にちょうどhideさんの「JUNK STORY」っていうドキュメンタリーのDVDを私が見ていて、そのアニメーションもt.o.Lさんがやっていたんですね。そのドキュメンタリーの内容が、hideさんはずっと若い新しい才能をマッシュアップし続けてきたっていうことを言ってる内容だったので、今生きてたら「絶対サクライケンタ聴いてるでしょう」って勝手に思っちゃったというか(笑)。私の中でそういうつながりもあったんですよ。
——今回は『逃猫ジュレ』のジュレ役も演じられますが、テーマソングもアニメありきで?
前作のt.o.Lの『TAMALA2010 a punk cat in space』も好きなんです。すごく口の悪い猫で(笑)。だから自分からやりたいとお願いをしまして。それからは、t.o.L.さんの脚本を読みこんで、アニメの世界観を自分のなかに昇華して作詞にとりかかっていきました。
—アレンジに関してサクライさんには何かオーダーは出したんですか?
絵的に『まどマギ』のアニメーターの方がやってる異世界に行くとバーっと現れるお化けみたいのあるじゃないですか?あれのイメージがジュレの脚本にあったんですよ。なんか不思議なよくわからない化け物がバーっていて、可愛くて毒々しくて楽しくて、でも怖くて。そこで何かが削られて何かを忘れてて、戦わなければならないという。でも戦うことが逃げることで、この世界から出なきゃというイメージでしたね。
—そのイメージはすぐ共有できましたか?
その写真とかは沢山送って、サクライさん『まどマギ』好きだったから。「ああ、分かる分かる」みたいな感じでした。あとは何曲か「こういう曲の世界観があります」みたいな(笑)、参考曲みたいのを送ったり。それとAメロとかBメロとかはおとぎ話というか寓話だから、これは構造としてBUMP OF CHICKEN(※注)だと思って(笑)。
※東京ドーム公演を成功させるなど、日本のロックシーンを牽引する存在。
—日本人リスナーにとっては一つの王道ですもんね、BUMP OF CHICKENの展開は。
結構、BUMPのあのノリを出せるように作ってたんですよ。そしたらサクライさんから「サビはBUMPじゃなくて、もうちょっと大森さんっぽい方がいいんじゃないですか?」って返ってきて(笑)。そういうやり取りはありました。
—サクライさんのアレンジならでは展開も転調もいっぱいあって、変拍子なども特徴的な曲になりましたね。
そうですね。割と私とサクライさんがやってる曲は、「めっちゃ大森靖子なのに、めっちゃサクライケンタ」って毎回言っていただけて(笑)、ちょっと聴いただけで分かる曲になってるっていうか。
—ああ、吉川友さんの「歯を食いしばれっっ!」とか。
吉川友ちゃんのも「大森靖子の曲だと思ったらやっぱり大森靖子だった」とか、「でもサクライケンタの音がする」とか、そういうのがパッと聴いて「この人の音」ってわかるのってすごくて。で、自分は曲は作りますけどアレンジは人にやってもらってるから、「自分の音」はないと思ってたんですよ。そんなのあるわけないじゃんとか、自分の作風とかないと思ってたんですよ。でも意外にあるんだなというか。メロディも「いいメロディ」ってことに固執してはいるけど、それ以外はあんまりこだわりがなかったので、「これが自分」っていうのは分かられないだろうなと思ってたんですけど、意外と分かるみたいで。なんかそれが嬉しかったりしましたね(笑)。
—いや、十分、大森さんの作風はあると思います。アレンジャーさんとのさんとの制作陣としてのブランド化もそうでしょうし、大森さんのイメージが更新されるし、もっと大きなフィールドに広がりそうな予感もあります。
あ、そうですか?ありがとうございます(笑)。
———
現在ツアーもはじまっており、10月26日(水)には「ワンダーロマンス三連福」の第二弾として、小室哲哉が作曲を担当した「POSITIVE STRESS」が発売された大森靖子。ロックシーン、アイドルシーン双方から注目を集める彼女はまさに今の日本を体現する存在。海外でのライブやツアーにも期待が高まるばかりだ。
EVENT INFORMATION
大森靖子2016年全国ツアー『TOKYO BLACK HOLE TOUR』10月22日(土) OKAYAMA● CRAZYMAMA KINGDOM<バンド>
10月23日(日) FUKUOKA● BEAT STATION<バンド>
10月29日(土) SAPPORO● PENNEY LANE24<バンド>11月4日(金) HIROSHIMA● LIVE JUKE<弾語り>SOLD OUT!
11月10日(木) OSAKA● BIGCA<バンド>
11月11日(金) MATSUYAMA●サロンキティ<バンド>
11月18日(金) TOKYO● ZEPP TOKYO<バンド>
詳細はこちら
http://oomoriseiko.info/RELEASE INFORMATION
大森靖子『POSITIVE STRESS』
2016年10月26日(水)発売
【CD ONLY】¥1,000(税抜)AVCD-83692
【CD+DVD】¥2,500(税抜)AVCD-83691/B
【CD+DVD(ファンクラブ限定盤)】¥3,500(税抜)AVC1-83693/B
詳細はこちら
http://oomoriseiko.info/ -
日本のポップ・カルチャーの中心地のひとつ・渋谷をホームに、インターネット/SNS世代ならではの活動で支持を集めてきた10代のラップシンガー、DAOKO。彼女はm-floとのコラボレーションや映画『渇き。』への楽曲提供、そして庵野秀明率いるスタジオカラーの短編映像シリーズ『日本アニメ(ーター)見本市』の『ME!ME!ME!』でTeddyLoidとともに音楽を担当して注目を集めると、15年にはメジャー・デビュー作を発表。同年末には顔出しを解禁し、テクノロジーをフル活用したライヴの評判なども相まって、国内だけでなく海外の音楽ファンからも注目を集めはじめている。
9月にリリースされたトリプルA面シングル『もしも僕らがGAMEの主役で/ダイスキ with TeddyLoid/BANG!』は、メジャー・デビュー以降に芽生えた「目の前の観客とより繋がりたい」という気持ちが反映された4曲を収録。ラップと歌の境界線、ヒップホップとエレクトロニック・ミュージックとJ-POPの境界線など、様々なボーダーを越えてポップの中心に位置するような、2010年代の「SHIBUYA/TOKYO」サウンドが詰まっている。
――DAOKOさんはもともと、どんな風に音楽に興味を持っていったんですか?
お父さんが音楽好きで色々な音楽を聴いていたので、小さい頃に出会って私がすごく影響を受けた椎名林檎さんもそれがきっかけで知りました。当時お父さんが一番よく聴いていたのは、たぶんテクノやハウスのようなクラブ・ミュージックだったと思うんですけどね。
――お父さんはセンスのいい人だったんですね。
そうですか? きっと、今で言うサブカル男子だったんだと思います。まったく同じとは言わないですけど、割と趣味が似ているので、その影響は大きかったですね。その後、中学生の頃ニコニコ動画に触れてから、色んなチャンネルがあるところに面白さを感じて、自分も(「ニコラップ」のカテゴリー内で)ラップを始めるようになりました。高校1年生の時にインディー・レーベル(LOW HIGH WHO?)に入ってからは、自分からより積極的に音楽を聴くようになったと思います。
――DAOKOさんの曲によく出てくる「渋谷」や東京は日本のポップ・カルチャーの中心地のひとつですが、そういう場所で育ったことも重要だったと思いますか?
でも、音楽を始めるまでは渋谷にはあまり来たことがなかったんですよ。東京出身の私にとっても、渋谷ってオシャレな人がいて、流行の先端が沢山集まる「都会」というイメージで。でもインディーズ・レーベルに入ってから、渋谷のPARCOさん(内にあった2.5Dのスタジオ。建て替えのため今年8月に一時閉館)で初ライヴをやって、そこから月に1~2回はライヴをするようになって、渋谷に来るようになりました。それで自分も渋谷に影響されて変わってきて、最近ようやくホームと思えるような場所になってきましたね。
――ラッパーとシンガーとの間を自在に行き来するような独特のフロウは、どんな風に生まれたものだったんでしょう?
どうだったんでしょうね? でも私が音楽を始めたのはニコニコ動画への投稿が最初で、その時はまだ見よう見まねだったので、それが大きかったのかもしれないです。
――色々な知識を手に入れる前にラップを始めたことが今に繋がっているんですね。
きっとそうだと思います。もちろんラップはすごく好きで、インディーズ・レーベルに入ってからはNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDやキングギドラも聴くようになったし、漢aka GAMIさんも好きです。でも、それだけが日常的に聴くものかというと、私はちょっと違うとも思うんですよ。たとえば海外では、ヒップホップはポップ・ミュージックのひとつになっていて、ジャンルとして境界線が引かれていないところもありますよね。私は普段街を歩いている時もヒップホップならそういうものを聴くことの方が多いので、「ラッパーのルーツがないことで、私なりのラップになっているのかな?」と思います。
――9月14日にはトリプルA面シングル『もしも僕らがGAMEの主役で/ダイスキ with TeddyLoid/BANG!』がリリースされます。新作に影響を与えたものがあれば教えてください。
『もしも僕らがGAMEの主役で』は、80年代U.S.ポップスを意識しました。それをORESAMAの小島さんらしい現代的な解釈で、DAOKOなりのポップスにしてみたんです。イントロの部分はエレクトロっぽさを出してみたり、ラップ部分はブレイクビーツにしてみたりと、よく聴くと色んな要素が入っています。“ダイスキ”は、TeddyLoidさんの現代らしいベース・ミュージックの要素があるトラックに対して、メロディーは民謡っぽさを意識していて、その違和感が新しいかな?と思います。TeddyLoidさんとは『ME!ME!ME!』で一度コラボレーションしていたこともあって、機会があればまた一緒に出来たらいいなと思っていたんです。この曲は『学校法人・専門学校HAL』のCM曲なので、CMの15秒の間にどれだけインパクトを残せるかを考えて、トラックは攻め攻めでお願いしました。
――“BANG!”はどうですか?
“BANG!”はメジャー・デビューして以降、「お客さんともっとコミュニケーションを取りたい」と思うようになってきたので、ライヴで一緒に体感できる曲を作ろうと思って、みんなでクラップ出来るパートを入れて作りました。そこに明るい詞を乗せてもつまらないと思ったので、歌詞では男女のちょっとドロドロした部分というか、女性目線で毒っ気を入れてコントラストにしているんです。この感覚って、女性ならみんな持っているものだと思うんですよ。それをあらゆる人にも伝わるように表現してみました。
――昨年の顔出し解禁以降、MVで表現できることも広がっていると思います。たとえば“BANG!”のMVには、椎名林檎さんからの影響を強く感じました。
私から名前を出したわけではなかったんですけど、MVを撮ってくれたのが児玉裕一さんだったので、ルーツをくみ取ってくれたのかもしれないですね。拡声器も椎名林檎さんっぽくて、不思議な感じが出ていると思います。MVで顔出しを始めた頃は慣れていなかったので、最初は「どうしたらいいかわからない」という葛藤もありましたけど、やっぱりメジャー・デビュー以降、「お客さんと顔を合わせてやっていきたい」という意識の変化があったんです。顔を隠して活動していたことや、ライヴでの(自分の前に透明なスクリーンを置いてモーショングラフィックや歌詞を投影する)特殊な演出の仕方も、もちろん自分の一部だと思っていますけど、それによってデリケートに扱っていただかなければいけなくなったり、お客さんとの壁が出来ていた部分もあったので。
――ああ、なるほど。
今は作りたい曲も色々出てきているし、ライヴも目の前のお客さんにより楽しんでもらえるようなものにしたいと思っているんです。その雰囲気は今回の新曲にも反映されているので、いままでの系譜にある「見せる」部分もありながら、同時にもっとみんなで「体感」できるようなものにしたいですね。
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今まさに大きな広がりを見せはじめている彼女の音楽には、海外のものとはまた少し違う、東京/渋谷ならではのストリート・カルチャーの魅力がぎっしり。まだの人はこの機会に、一度聴いたらクセになる、このめくるめくポップ・ワールドを体験してみては?