週刊ヤングマガジン連載中で、単行本累計部数280万部突破、2017年度講談社漫画賞「一般部門」を受賞し、今一番面白い作品と呼び声が高いコミック「ザ・ファブル」が実写映画化、6月21日(金)に全国公開を迎える。この度、2018年夏に行われた“ガチ過ぎる”アクションに挑む、主人公のファブル/佐藤アキラ役を演じる岡田准一の撮影舞台裏レポートが到着した。
撮影が行われたのは、関東近郊にある廃工場。その中で、地上から約10数mの高所に超巨大桟橋を設置するという、大規模なセットが組み立てられた。この日撮影されたのは、大桟橋の先端に、小島(柳楽優弥)が椅子に座ったままワイヤー1本で縛り付けられ、背中から地上に落下寸前!というスリリングなシーン。裏社会の組織に所属し、出所してもすぐ悪事に手を染める凶悪な小島だが、組織内で敵対する砂川(向井理)との争いから大ピンチに。
そんな小島に手を焼きつつも見放せない兄貴分の海老原(安田顕)が、ファブルこと佐藤アキラ(岡田准一)に手助けを要請したことから、ファブルをつけ狙う殺し屋フード(福士蒼汰)などさまざまなキャラクターたちが交錯するーという、見どころ満載の場面に仕上がっている。
あわや落下直前の小島目がけて圧倒的な速さで駆け寄るのは、岡田演じるアキラ。江口監督が「撮影カメラマンが付いていけない時もあった(笑)」と語るほど、ものすごいスピードでだったという。さらに、岡田もまたワイヤー1本のみに支えられる中、柳楽を椅子ごと抱え、空中ブランコのようなアクロバティックな動きで窓ガラスを突き破って救出する、という本作で最もパワフルなアクションを披露した。
岡田准一主演『ザ・ファブル』主題歌予告(90秒)
予告編でも確認できる桟橋のシーンは、原作にはない映画オリジナル。このシーンは、江口監督が「一番ヒヤヒヤしました」と語る危険と隣り合わせのシーンで、落下のピンチに見舞われる役どころの柳楽も、「撮影で本気で怖いと思ったのは久々です」と苦笑いを浮かべるほど。江口監督は漫画作品の実写映画化に際し、漫画家の方々へのリスペクトがあるからこそ、今回のような映画ならではのダイナミックなシーンが必要だと考えたという。特に本作では、主人公アキラが「殺し屋を休業し、誰も殺さない」という設定であることから、動きが地味にならないよう、随所にインパクトのあるシーンを入れることを重視したと語る。その上で、アキラを演じた岡田の身体能力や作品への姿勢には感銘を受けたそう。「岡田さんは以前からお仕事をしてみたい俳優さんのひとりでしたが、彼のストイックさはこちらが勉強になることばかり。動ける人だとは分かっていたけど、ここまでとは!と驚かされました。岡田さんのアクションを早送りで撮っていると思われることが一番悔しい(笑)。それくらい彼のスピードはハンパないんです!」と、あらためて岡田のアキラ像を絶賛した。
本作では数々の壮絶なシーンを含め、劇中でのほとんどのアクションをスタントなしでこなしている岡田。「世間的には分からないですけど、スタッフの方々には僕は動ける俳優と思われているみたいで(笑)。ただ時代劇ではなく、現代劇でアクションをやることはすごく難しいことだと認識しています。それをどこまで今まで見たことのないアクションに近付けられるかということに、アクションチームや江口監督と日々チャレンジしている感じですね」と岡田が語るように、本人も本作のアクションには並々ならぬ思いで挑んでいたようだ。
今やアクションスターとしても絶大な支持を集める岡田。彼が厚い信頼を寄せるアクションチームは、なんと異例の日仏混合編成。ハリウッド大作「ボーン・アイデンティティー」(2002)、「LUCY/ルーシー」(2014)などのアクションを手がけたフランス人=アラン・フィグラルズを“ファイトコレオグラファー”(殺陣師)に迎え、「るろうに剣心」(2012)、「亜人」(2018)などでスタントを手掛け、岡田が「トミー」と慕う富田稔を“スタントコーディネーター”に起用するなど、アクション界の第一線で活躍する面々が集結した。
撮影現場では、岡田も積極的に意見を出し合い、本番直前までアクションチームと熱いディスカッションを展開。岡田自身も、混合チームでの体制は珍しいこととしながらも、充実した撮影となったことを振り返っている。「アクションを混合チームで作るというのはなかなかない経験ですが、互いのいいところを出し合って、いろんな要素が組み込まれたアクションになると思います。実は直前まで動きが決まってないこともあるので(笑)、そういう意味では瞬発力が求められる現場でもありますね。ただこれまで大きなケガもなく無事にこれているのは、本当によかったと思います。」
そしてアクションに並んで本作の大きな見どころとなっているのが、“ハッピーな笑い”。岡田は「久しぶりで懐かしい感覚です」と笑顔を見せながら、「最近はカタい役や武士の役が続いていて、ユーモアがある作品にあまり出ていないので(笑)。アキラは常に無表情だから、その中で笑いをとらなければいけないのはチャレンジングですが、監督やスタッフさんの笑い声を聞くと安心しますね。10代20代の頃は、まさにそれを目標にしてやっていたなぁと思い出しているところです」と、“笑い”への思いも明らかにした。
映画本編では、ひとり敵地に赴き目にも止まらぬガンアクションや体術を披露するアキラの姿や、アキラvsフードの一触即発な殺し屋対決など、世界基準の超絶アクションが盛りだくさん!日本映画の限界を突破した最強エンターテインメントに期待が高まる。
©2019「ザ・ファブル」製作委員会