Twitterに投稿した四コマ漫画が多くの読者の胸を打ち、熱狂的な支持を集める漫画家・世紀末の処女作にして代表作「殺さない彼と死なない彼女」が実写映画化、11月15日(金)全国公開され、舞台挨拶が行われた。
上映後に、間宮祥太朗・桜井日奈子・恒松祐里・堀田真由・箭内夢菜・ゆうたろう・小林啓一監督が登壇。主人公・小坂れい役の間宮が松葉づえ姿で登場し会場を驚かせた。「足を折ってしまいまして。見苦しいかたちで登壇してしまいすみません。でも全然大丈夫なのでいったん忘れていただき、今日は映画の話をしましょう」と客席に語りかけた。
本作が試写会のアンケートで本作が“ナミダ率(泣いた率)91%”と高い数字となっていることについて感想を尋ねると、間宮は「91%は凄い。泣くほど感情が昂ったというのは嬉しい」と喜びつつ「泣いていない人も自信を持ってください」と笑わせた。感動を呼ぶ理由については「原作そのものが持つ力。それを映画脚本に仕上げた監督の力。それに画も綺麗。ファーストカットを観たときに、いい映画を観るんだという予感がありました。照明部がなく、自然光にこだわった撮影の綺麗さも後押ししています」と分析。鹿野なな役の桜井は「間宮さんの言う通りで、自然光を使っているので光加 減が日常と似ている。なので作品の世界観に入りやすい」と画の美しさを絶賛していた。
次に客席とのQ&Aに移り、「自分の演じた役以外で共感したキャラクターは?」という質問に、八千代役のゆうたろうは 「八千代は落ち着いた役だけど、自分はかまってちゃんの部分があるので、きゃぴ子に似ている。闇を抱いている部分もいいなと共感しました。個人的に似ていると思う」と意外な類似点を告白。
撮影中のハプニングについての質問では、間宮が「イカ焼きがポロッととれるシーンはハプニングです。でもそれを活かしながら芝居を続けていたら採用された」と裏話を紹介。桜井は「真夜中のショッピングモールでの撮影で。イカの匂いがすごかったので、本番一発OKで嬉しかった」と肩をすぼめていた。
最後に主演の桜井は「この映画を多くの方に届けたいと思っております。たくさんの方の協力を得てこの日を迎えられたので、この作品がたくさんの方に愛されることを祈っています」と期待。間宮は「二人とは人間関係の中で最小の数ですが、自分と対相手“しか”いないという、でも、“しか”ではないと伝えている映画です。SNSなどで不特定多数の人に向けた何かを考えがちな世の中ですが、実際に誰か一人でも特別な時間を一緒に過ごす存在がいれば、自分一人だけでは肯定できない部分も、認めてくれる。そんな人間関係の映画だと思っています。みなさんにとってこの作品が大事な映画になってくれたらそれがすべてです。そして、それを共有したいなと思い浮かぶ誰かがみなさんの中にいたら本当に嬉しく思います」と広く届くことを願っていた。
©2019映画『殺さない彼と死なない彼女』製作委員会