映画『Fukushima 50』主演の佐藤浩市・渡辺謙、若松節朗監督 それぞれの覚悟と想いを胸に福島県を訪問

26.January.2020 | MOVIE

2011年3月11日午後2時46分、東日本大震災発生。そして福島第一原発事故。全世界が震撼した福島第一原発事故の関係者90人以上への取材をもとに綴られたジャーナリスト、門田(かどた)隆将(りゅうしょう)渾身のノンフィクション作品「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」原作の映画『Fukushima 50(フクシマフィフティ)』が、2020年3月6日(金)に全国公開となる。

 

本作は、2011年3月11日午後2時46分に発生し、マグニチュード9.0、最大震度7という、日本の観測史上最大の地震となった東日本大震災時の福島第一原発事故を描く物語。想像を超える被害をもたらした原発事故の現場:福島第一原子力発電所(通称:イチエフ)に残った地元福島出身の約50人の作業員は、世界のメディアから“Fukushima 50”(フクシマフィフティ)と呼ばれた。世界中が注目した現場では本当は何が起きていたのか?何が真実なのか?浮き彫りになる人間の強さと弱さ。東日本壊滅の危機が迫る中、死を覚悟して発電所内に残った人々の知られざる“真実”が、今、遂に明らかになる。

この度、主演の佐藤浩市、渡辺謙が福島県内をめぐる福島キャンペーンが実施された。キャンペーンでは本作で主演を務める佐藤浩市、若松節朗監督、KADOKAWA代表取締役副社長(エグゼクティブプロデューサー)の井上伸一郎が今も帰還困難区域が残る富岡町の役場へ表敬訪問。富岡町は本作の舞台のひとつであり、震災から10年目を迎えようとする2020年3月の公開をまえに、地元の方々と真摯に向き合った。そして、福島県の郡山テアトルでは、佐藤浩市、渡辺謙、若松監督の3名が登壇する舞台挨拶を実施。「まずは、福島の方々に本作を観ていただきたい」という思いから、本キャンペーンは発足し、一般の方々に本作をお披露目する初の機会となった。

1月22日(水)に主演・佐藤浩市、若松節朗監督、井上伸一郎代表取締役副社長が富岡町役場に訪れ、宮本皓一町長に本作の完成を報告。まずは代表して井上伸一郎代表取締役社長が「本日は映画『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)の完成を富岡町にご報告しに参りました。是非、町長にも早く本作を観ていただければと思います」と挨拶し、若松監督は「撮影前の取材も含めまして、富岡町の方々には本当にお世話になりました。是非、皆さまにも観ていただいて『この映画は世界に発信していくべき映画だ』と発信していっていただきたいと思っています」と感謝とともに力強く作品をアピールした。

 

そして佐藤は「(事故から)決して遠い過去ではなくて、ふと振り返ると昨日のことのように思い出されるかたもたくさんいらっしゃると思います。思い出されたくない方々もたくさんいるかと思いますが、この事故を風化させてはいけないためには、どうしても映像の力も必要であり、痛みを伴うけどこの事実を後世に伝えていくためにもこの映画は必要だと踏まえて観ていただけるとありがたいと思います」と静かに語ったた。そして、本作では富岡町の〈夜ノ森公園〉(※現在は帰還困難区域で立ち入りが禁止されている)での撮影も行ったことについて若松監督は「劇中でも重要な“桜のシーン”の撮影をさせていただいたのですが、桜は美しいがこの桜を誰も見ることが出来ないと思うと非常に複雑でした」と吐露。佐藤も「(自身が演じた主人公・伊崎利夫)彼がどんな心境でこの桜を見ているのかという複雑な心をどこまで表現できたかはわかりませんが、桜の美しさと儚さ、この事故を絶対に繰り返してはいけないという想いが交錯して観る方々に届いてくれればいいなと思います」と想いを語った。宮本町長は富岡町での撮影について「この映画を私たちが生き証人として後世に伝えていくために、撮影許可を出すというよりはこちらからお願いしたいという気持ちでいっぱいでした。今まで富岡町をロケーションとして撮影したことなど無かったと思うので、町としてもみんなに観て頂けるようにPRしていきたいと思います」と改めて語った。

表敬訪問翌日の1月23日(木)には福島県郡山市の劇場・郡山テアトルにて舞台挨拶を実施。佐藤は福島の方を前に「やっとここまで来れたという想いでいっぱいです。決して、楽しんでくださいと言える作品では無いです。観るには苦しすぎるシーンもあるかと思いますが、どうか最後まで観ていってください」と挨拶。

渡辺も「今現在福島に帰れない方々、この事故で人生を変えられてしまった人がたくさんいます。その想いを僕らが全て背負うことはできないけど、その人達の想いを少しでも汲み取ってこの映画にぶつけていきましょうと、作品がクランクインした際にお話させていただきました。そこから作品が完成しこの地を皮切りにここの作品を発信できることを僕は誇りに思っています。この作品は必ず未来に繋がる何かを感じていただけるんじゃないかなと思っています」と力強く語った。若松監督は「5年前からこの映画のプロジェクトが始動しまして、ようやく完成しました。それも福島からこの映画を発信できるということを誇りに思います。誠実にこの映画を作ったつもりです」と福島の方々へ語った。

最後に佐藤は「負の遺産を少しだけ形を変えた遺産に変えましょう」と力強く語りかけ、渡辺は「僕の中で今まで福島を支えていくということが出来ていなかったと思います。ただ、一番自分ができる最大の仕事で福島の皆さまにお届けすることができたなと思っています。どうか受け取ってください」と語った。こうして福島での舞台挨拶は終了し、最後までキャスト・監督へ盛大な拍手が上がりながら幕が閉じた。

 

© 2020『Fukushima 50』製作委員会

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    映画は全世界73の国と地域での上映が決定しているが、本作の海外版予告映像が到着した。

     

    3月11日、あの日、あの時、あの震災で、現場で「最後の砦」となった《Fukushima 50》の勇姿がついに世界へ放たれる。本作の柱である人間ドラマをフォーカスした日本版予告とは一味異なり、もう1つの柱である緊張感とスピード感を強調した内容。日本映画ではあるが、邦画初の米軍協力などリアリティにこだわったセットと白組のVFXがマッチして、まるでハリウッド映画のようなテイストを醸し出している。

    海外の配給元からは「強烈なインパクトを持つ作品」「「HBOチェルノブイリ」に対するアンサームービー。あまりに壮大なドラマに期待が高まる」「ラテンアメリカでもこの映画はきっと大成功するに違いない」「絶対に見るべき映画」「予告編を見た瞬間に心を鷲づかみにされた。この作品で描かれていることはまさに人々が見たかったこと」などと国境を越えて期待を寄せるコメントが集まっている。

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    27.January.2020 | MOVIE

    2011年3月11日午後2時46分、東日本大震災発生。そして福島第一原発事故。全世界が震撼した福島第一原発事故の関係者90人以上への取材をもとに綴られたジャーナリスト、門田(かどた)隆将(りゅうしょう)渾身のノンフィクション作品「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」原作の映画『Fukushima 50(フクシマフィフティ)』が、2020年3月6日(金)に全国公開となる。

     

    本作は、2011年3月11日午後2時46分に発生し、マグニチュード9.0、最大震度7という、日本の観測史上最大の地震となった東日本大震災時の福島第一原発事故を描く物語。想像を超える被害をもたらした原発事故の現場:福島第一原子力発電所(通称:イチエフ)に残った地元福島出身の約50人の作業員は、世界のメディアから“Fukushima 50”(フクシマフィフティ)と呼ばれた。世界中が注目した現場では本当は何が起きていたのか?何が真実なのか?浮き彫りになる人間の強さと弱さ。東日本壊滅の危機が迫る中、死を覚悟して発電所内に残った人々の知られざる“真実”が、今、遂に明らかになる。

     

    この度、主演の佐藤浩市、渡辺謙をはじめ吉岡秀隆、緒方直人、平田満、荻原聖人、佐野史郎、安田成美、若松節朗監督がワールドプレミアイベントに登壇した。

    本作を披露するにあたって心境を聞かれた佐藤は「先日キャンペーンで福島を訪れて本作を上映しました。福島から始めなければいけないだろうと思っていましたし、福島の方々に作品を見ていただくことは非常に怖いことです。公共の電波で津波の映像が流れる前には『津波の映像が流れます』というテロップを流さなければ映像を流すことができません。暗い映画館の中でとても辛い映像を見なければならないので、被災された方や被災された方をご家族・友人に持つ方々、福島の方や宮城の方に見ていただくことは恐怖でもありますけど、それを乗り越えらなければいけないんです。エンディングまで作品を見た時に 必ずこの映画は記録としても記憶としても残るだろうと思います。それをまず福島に持って行きました。そして本日東京の皆さんに見ていただいて、これから全国に持って行きます」と本作に対する強い意気込みを語った。

    続けて渡辺は「郡山で当時高校生の時に被災し、TV局のアナウンサーになった方のインタビューを受けました。『最初は体の震えが止まらなくなり、それでも最後まで見なければいけないと思っていても途中で心が折れそうになりました。電気が無く携帯もパソコンも見ることが出来ない中で色々なニュースが飛び交っていたけれどこの映画を見ることで、当時何が起きていたのかということがわかりました。ありがとうございます』という言葉をいただいた時はこの映画を届けていける自信をいただきました」とコメントすると、若松監督も「お二人に対して思うことは福島の方に寄り添ってお話しをしてくれているので映画が始まる前にお客さんが泣いているんです。福島の皆さんが映画を見終わった後に『このような映画を作ってくれてありがとうございました』と言ってくれたことがとても嬉しかったです」と先日行われた福島キャンペーンでの一幕を語った。

     

    また過酷な撮影中の雰囲気を聞かれた佐藤は「本作は時系列に沿って順撮りしているので、私含めた中央制御室のメンバーは色々と思いながら現場にいるんですけど、シーンを重ねていく内にみんな同じ境遇の中にいるという意識が強くなっていきました。結束感というものが普通の映画とは違うものでしたね」と撮影を重ねていく内にチームとしての結束力が生まれてきたことを述懐した。

    そして当時の総理大臣役を演じた佐野は「よく今回の役をお受けになりましたねと言われるんですけど、何でそんなことを言うのだろうと思いますね(笑)今は情報が分かっているから当時何が起きていたかを語れるんですけど、当時は何の情報も分かっていない中でどう判断するべきか、あの時の総理は東京でじっとしていたらそれはそれで責められたでしょう。けれど現場を見てみなければ判断できないというのが正直なところだと思います。」と今回のオファーを受けた際の気持ちを語った。

     

    そしてMCからキャスト・スタッフ陣が並々ならぬ想いを込めて作り上げた本作の世界73の国と地域での配給・上映が決定したことも発表された!

    最後に渡辺は「なぜ作品タイトルが英語表記なのか、福島県郡山から発信したものが東京に来てこれから全国に向かってそして世界に向かってこの映画届けるために『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)というタイトルになったんだと思います。この映画を見ていただいたら何か素晴らしいパワーを届けられるに違いないと信じています」と挨拶をし、佐藤は「災害というものはいつも深い傷跡、爪痕を残すものです。その負の遺産を我々のほんの少しの努力で遺産として明日へそして未来へバトンとして渡すことができるはずです。この負の遺産を明日への遺産に変えられるよう皆さん願っていてください」と願いを込めて客席に向かって語りかけた。最後までキャスト・監督へ盛大な拍手が上がりながらイベントは幕を閉じた。

     

     

    © 2020『Fukushima 50』製作委員会

  • 映画『Fukushima 50』日本映画としては初めて、米軍が撮影に協力!

    19.November.2019 | MOVIE

    2011年3月11日午後2時46分、東日本大震災発生。そして福島第一原発事故。全世界が震撼した福島第一原発事故の関係者90人以上への取材をもとに綴られたジャーナリスト、門田(かどた)隆将(りゅうしょう)渾身のノンフィクション作品「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」原作の映画『Fukushima 50(フクシマフィフティ)』が、2020年3月に全国公開となる。

     

    本作は、2011年3月11日午後2時46分に発生し、マグニチュード9.0、最大震度7という、日本の観測史上最大の地震となった東日本大震災時の福島第一原発事故を描く物語。想像を超える被害をもたらした原発事故の現場:福島第一原子力発電所(通称:イチエフ)に残った地元福島出身の約50人の作業員は、世界のメディアから“Fukushima 50”(フクシマフィフティ)と呼ばれた。世界中が注目した現場では本当は何が起きていたのか?何が真実なのか?浮き彫りになる人間の強さと弱さ。東日本壊滅の危機が迫る中、死を覚悟して発電所内に残った人々の知られざる“真実”が、今、遂に明らかになる。

    そして今回、日本映画としては初めて、米軍が撮影に協力していることが判明!2011年当時に実施された被災地を支援する米軍の「トモダチ作戦 」“Operation Tomodachi”が本作でも描かれ、2019年1月28日、在日米軍横田基地において日本映画としては初めてとなる撮影が実施された。

    作戦会議のシーンを撮影するために施設内にある実際の作戦会議室が貸し出されたほか、米軍所有のヘリ、UH-1を実際に飛ばし、東北支援に向けて発進する迫力のシーンが撮影された。撮影に際し、米国防総省(ペンタゴン)への申請および許可が必要となるが、日本映画では実績も交渉ルートもないため、許可を得るのはまず不可能。しかし多くの米兵が関わった「トモダチ作戦」をリアルに再現することに理解を示した米国大使館関係者の協力で、米側安全保障チームと粘り強い交渉を続けた結果、撮影の許可が下りるに至った。

    在日米軍横田基地第374空輸航空団(374th Airlift Wing)の将校ジョニーを演じるのは、ダニエル・カール。福島にゆかりのあるキャラクターとして、いつもとは違うシリアスなダニエル・カールを見ることができる。また、基地内で募集された本物の米兵がエキストラとして多数出演している。

    また、当時総理大臣が自衛隊の要人輸送ヘリで福島第一原発(イチエフ)を緊急訪問したが、そのシーンを再現するため、通常は皇室や総理大臣など国内外要人の移動に使用される輸送ヘリES-225LP “スーパーピューマ”が登場、総理役の佐野史郎が同ヘリに乗った。さらに、空から建屋の放水を行ったCH-47JAヘリコプターの撮影も行われ、放水シーンでは、当時の作戦に従事した隊員が協力し、機体内部の被ばくを防ぐアクリル板や装備等も忠実に再現された。

     

    主要な舞台となる福島第一原発の中央制御室や緊急時対策室のセットなども寸分違わぬリアリティの追及のもとで制作されており、世界的な大事故の伝えるべき真実のため、細部に至るまでスタッフのこだわりが見て取れる。

     

    在日アメリカ軍横田基地将校役 ダニエル・カール コメント

    『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)の製作に携わったすべての人に成り代わり、この場を借りて在日米軍の皆様に感謝の意を伝えたいと思います。いくつかのシーンを撮影するに当たり横田基地を実際に使用させていただき、また現役の空軍兵の方々にエキストラとして参加していただくなど、快くご協力いただいたことに感謝しております。今回の映画は、実際日本の米軍基地 内 での撮影が許された最初の映画であると思いますし、その映画に関わらせていただけたことを光栄に思います。個人的にも基地での撮影はとても楽しいものでした。みなさん、とても気さくに私の質問にも応じてくれて、貴重な経験をさせていただきました。そして、どうやったら軍人らしい立ち居振る舞いになるかなどを教えていただいたアドバイザーの方には特にお礼を申し上げます。おかげで場面のリアリティが増したのではないかと感じています。

     

    東北に強い絆を持つアメリカ人の一人として、あの「トモダチ作戦」の発令を行った司令官役を演じさせていただけたこと を本当に誇りに思います。私自身震災後何度も東北に足を運び、地域の人々と話してきました。米軍のみなさんの適切な支援、援助には誰もが本当に感謝し、これからもず っと語り継いでいくものと思います。本当に有り難うございました。

     

    アメリカ空軍コメント

    アメリカ合衆国国防省とアメリカ空軍は、横田基地において、映画『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)の重要なシーンの撮影に協力させていただきました。1日の撮影で、米国政府に費用負担をかけることなく、品位、自己奉仕、優秀さ、という空軍が掲げる本質的価値を損なうことなく、空軍隊員をしっかりと描写していただきました。我々空軍隊員は難しい状況下であっても対応できるように訓練されており、それは現地における救助活動を共同で行った行為に大いに反映されており、そして今日空軍が全世界で行っていることの証ともなっております。

     

    © 2020『Fukushima 50』製作委員会

  • 福島第一原発事故を描く映画「Fukushima 50」場面写真公開

    09.July.2019 | MOVIE

    福島第一原発事故。全世界が震撼した “3.11” の関係者90人以上への取材をもとに綴られたジャーナリスト、門田隆将渾身のノンフィクション作品「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」原作の映画「Fukushima 50(フクシマフィフティ)」が、2020年に全国公開となる。

     

    この度、福島第一原子力発電所所長、吉田昌郎の命日である7月9日に、福島第一原発1・2号機当直長:伊崎利夫を演じる佐藤浩市と、福島第一原発所長:吉田昌郎を演じる渡辺謙の画像が解禁となった。(吉田昌郎所長は2013年7月9日に食道がんのため逝去)

    今回解禁となったのは、東日本大震災が起きた直後のシーン。佐藤演じる伊崎は、福島第一原発(通称・イチエフ)の中央制御室(通称・中操)で、緊急停止した原子炉1・2号機に対して非常時の対策を指示し異常がないかを注視する。渡辺演じる所長の吉田は、新潟県中越沖地震の教訓から2010年にイチエフ内に建てられたばかりの免震重要棟にある緊急対策室(通称・緊対)で、現場からの深刻な状況報告を受け策を練る。どちらからも緊迫した様子が伝わってくる。

     

    日本中の誰もが当事者となり全世界を震撼させたあの大震災から8年。息を呑む臨場感と日本映画史上かつてない程の壮大なスケール、そして圧倒的なドラマで全ての人に贈る一大巨編に益々注目が高まる。

     

    ©2020『Fukushima 50』製作委員会

  • 福島第一原発事故を描く映画「Fukushima 50」製作に至った経緯とは?

    19.April.2019 | MOVIE

    2011年3月11日午後2時46分、東日本大震災発生、そして福島第一原発事故。全世界が震撼した “3.11” の関係者90人以上への取材をもとに綴られたジャーナリスト、門田隆将渾身のノンフィクション作品「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」原作の映画「Fukushima 50(フクシマフィフティ)」が、2020年に全国公開となる。

    この度、主演者の佐藤浩市と渡辺謙、株式会社KADOKAWA映像事業局 映画企画部 部長 水上繁雄プロデューサー、椿宜和プロデューサーによる本作のクランクアップ記者会見が開催された。

    まず水上プロデューサーから「まもなく平成が終わりますが、世界的にも類を見ないあの大事故を新しい時代にも伝えていこうという思いで企画がスタートしました。当時原発内で戦っていた作業員の方々は、海外からFukushima 50と呼ばれており、ほとんどが地元福島の方でした。我々と同じ一般人で、悩み、怒り、泣き、いろんな思いで作業されていました。頭の中には常に避難したご家族の事があったそうです。こうした方々のドラマを物語の中心に据えながら、報道だけではわからない事故の真実を描こうと決めました。大自然の脅威、人間の慢心という部分も重要なテーマです。本作は門田隆将さんの「死の淵を見た男」を原作としており、非常にリアルな内容を映像化しています。東日本大震災からは8年が経ちましたが、震災ならびに事故の風化が懸念されています。被災地の復興や福島第一原発の廃炉作業等も取り組むべき課題が多々あります。今一度、震災そして原発事故と向き合っていこうと、この映画の製作に取り組んでおります。KADOKAWAには『金融腐蝕列島 呪縛』、『沈まぬ太陽』という社会問題をテーマにした作品を製作してきた歴史がありますので、今回の作品も後世に残る物として製作していきたいと思っています」と本作「Fukushima 50」の製作に至った経緯が語られた。

    Q:この作品が上映されるのが2020年で、東日本大震災発生から10年目という節目の年となり、東京オリンピックも開催される年となります。国際的な展開も視野に入れているという話しもありますが、改めて本作を通して社会にどのようなメッセージを届けたいと思っていますか?

     

    佐藤:もう8年と思うか、まだ8年と思うか、そういった思いは日本人一人一人の中で違うと思います。まだ、震災当時を振り返ることが出来ない人もいるでしょうし、生まれてはいたけど幼少期で記憶がないという10代の子供たち、そうした色々な方がいる中で是か非かということではなくこの映画を観ることで、若い世代に何かを感じ取ってもらいたいと思いますし、未来を生きる者たちにとって何が必要なのか、それも含めて各々が感じ取っていただきたい。そのためだけに僕は作品に向き合ってきました。

    渡辺:少し誤解を恐れずに申し上げますと、『硫黄島からの手紙』という作品に参加していた時に、この国の民意は非常に論理的に継承して後世にどう残していくかと考えるのがあまり上手ではないのかなと感じていました。それは恐らく、本作で取り上げる原発事故もそうなる気がしてならないんです。本作は原発がいいとか悪いとか、そういったことを描く作品ではないですが、こういった事故があったということを論理的に継承して、僕たちの子供世代、孫の世代にとって、こういったことがあったという材料となってほしい。こんなことがあったという現実を世に送り出すまではきちんと関わっていきたいです。

    また渡辺は、「『沈まぬ太陽』の時も非常に社会的な大きなテーマを扱った作品を公開する時に、周りの方の協力がないと中々世の中の方に伝えるのが難しいという想いをしておりました。そういう時に多くのメディアの方々が映画に賛同していただいたことに大きな感謝をしております。この作品もそういう作品になると思います。是非皆さんの力を借りてたくさんの方々にこの作品とこの事象を知っていただきたいと思っています。」と力強くコメントし、佐藤も「こんなに笑いの少ない映画の会見は初めてです。僕らもそうですし、皆さん妙な緊張感持ってこの場にいられるんだと思うんです。この会見で感じたことを多くの方々に伝えていっていただきたいです。」とコメントした。

    日本中の誰もが当事者となり全世界を震撼させたあの大震災から8年。息を呑む臨場感と日本映画史上かつてない程の壮大なスケール、そして圧倒的なドラマで全ての人に贈る一大巨編をお見逃しなく。

     

     

    © 2020『Fukushima 50』製作委員会

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