日本国内最大級のコミック配信サービス『まんが王国』は、部屋がおしゃれなおすすめ漫画を厳選し、元インテリアスタイリストである広報担当が独自レビューとともに発表した。
キャラクターが住む部屋
漫画においてその世界を表す背景絵。その中でも、キャラクターが住む部屋の内装は、その人物の人柄・趣味嗜好・生活スタイルを如実に表すもの。しかし、実はあまり気にして見たことがないという方も多いかもしれない。
住んでいるのが、都心なのか地方なのか、古民家なのかタワーマンションなのか、実家なのか一人暮らしなのか、物件によっても人物イメージ、設定は大きく変わる。さらに毎日過ごす自室となるとその人の趣味嗜好や性格、ライフスタイルが如実に現れるはず・・・!
センスがあって流行の高いインテリアを揃えた部屋ということでなく、キャラクターの奥行きまでも表現されているような”部屋がおしゃれな漫画 5選” が選ばれた。
SPY×FAMILY
©遠藤達哉/集英社
複数の漫画賞を受賞した注目作品。リビングに注目すると、モダンなソファが置かれている。おそらくこれは建築家、ル・コルビジェの代表作「LC2」がモチーフになっていると思われ、高級デザイナーズソファ、シンプルでモダンなデザインの象徴として描かれることが多い。黄昏は「家族」任務中は精神科医という設定なので、高収入な男性が選ぶソファとしては最適かもしれない。
初めて恋をした日に読む話
©持田あき/集英社
ドラマ化もされた本作。実家暮らしである主人公の順子が、家の中で唯一安心できる場所として、バルコニーと屋根裏の自室が描かれている。バルコニーには座り心地の良さそうなローソファにたくさんのクッション、ラグが用意され、柵にはガーランドライトが。まさにおしゃれなアウトドアリビングの理想形!洋服だけでなく、こういったところからも順子のセンスを感じられる。
プリンセスメゾン
©池辺葵/小学館
1巻表紙のパッチワークソファが鮮やかで素敵な印象。独り身、年収200万ちょっとで都心にマンション購入を検討する沼越さんを中心に、さまざまな女性がそれぞれの人生で「住むこと(生きること)」を見つめなおす様子や心情がオムニバス形式で描かれた作品。室内のインテリアだけでなく、地域、マンションそのものを含めて「住む場所」であり、「おしゃれさ」よりも「その人らしさ」を部屋に投影しているのが素敵な作品。
午後3時 雨宮教授のお茶の時間
©鷹野久/新潮社
主人公である雨宮教授の住む家がいわゆる「丁寧な暮らし」を実現したかのような部屋。キッチンや建具の装飾はカントリーな造りだけど、家具はシンプルでナチュラルな素材を使っているよう。ふと背景に入るオープンシェルフや、キッチン小物までこだわって描かれている。
そして注目はサンルーム。日光を多く取り入れるため、壁と天井がガラス張りになっている部屋は、室内にいながらテラスにいるかのような雰囲気を味わうことができる。ガラス越しに見える庭のグリーンも爽やかで最高!
オールドファッションカップケーキ
©佐岸左岸/大洋図書
こちらはBL(ボーイズラブ)となっており、じんわりと心に染み入るような優しい作品。先に紹介した「午後3時 雨宮教授~」に共通する部分もあり、シンプルだけど本物思考でおしゃれな部屋に住む大人の男性とおいしいお菓子、という印象。
リビングに置かれたウッドフレームのローソファや、クローゼットの中ですべて統一された木製ハンガー、さりげない壁面のデコレーション。統一感と清潔感があり嫌みのないおしゃれさが、何事もそつなくこなしてしまう主人公の野末本人のよう。
いつも読んでいる漫画もこうして様々なポイントに注目すると新たな一面が見えてくるかも。自分の好きな漫画の部屋を「おうち時間」に改めてチェックしてみては?
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