星のようにかがやく大きな瞳、やわらかに揺れるヘアスタイル、エレガントなファッション。そんな、誰もが憧れるお姫さまや少女たちの絵を一貫して描き続けてきた、巨匠・高橋真琴は「こういう女の子がいたらいいな」という少年の気持ちで68年描き続けてきた。描かれた少女たちは、みな生き生きと優しく微笑み、今にも話しかけてきそうな瞳は、見る者の心を虜にする。
高橋は、1953年にデビュー後、『あらしをこえて』や『プリンセス・アン』などの漫画を発表。“瞳の中に星を描く画風”が、後の少女漫画に多大な影響を与えた。1960~70年代には「なかよし」「少女フレンド」「マーガレット」などの少女漫画誌や学年誌の表紙や口絵、挿絵を多数担当した。文房具や布製品のほかに、自転車などのイラストも手がけてきた。
1992年から、定期的に新作個展を開催しており、親善大使を務める千葉県佐倉市内の公共物や、日本を代表するファッションブランドのひとつ「コム・デ・ギャルソン」の2018年SSコレクションで少女画が採用されたり、海外での版画展開催などにも精力的に活動の場を広げ、来年迎える米寿イヤーもますます活躍が期待される。
そしてこの度、高橋真琴の美の世界をぎゅっと綴じ込んだ画集が完成した。1960年代の作品から近作まで約150点の作品を、5色印刷で美しく再現。全232ページ、コンパクトなサイズは、つねにそばに置いて愛でられる、まさに宝石箱のようだ。「可愛い」を愛するすべての人に、乙女気分をじっくり、うっとり味わってほしい一冊となっている。
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