長編アニメーション映画『雨を告げる漂流団地』完成披露舞台挨拶レポート

12.August.2022 | ANIME&GAME / MOVIE

2018年『ペンギン・ハイウェイ』で第42回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞、ファンタジア国際映画祭 今敏賞(ベストアニメーション賞)を受賞。2020年『泣きたい私は猫をかぶる』がNetflixにて全世界独占配信され、世界30カ国以上で再生回数の多い映画ランキングTOP10に入るなど、全世界からの賞賛を浴びたアニメーションスタジオ「スタジオコロリド」。その待望の新作長編アニメーション映画第3弾『雨を告げる漂流団地』が2022年9月16日(金)よりNetflixにて全世界独占配信&日本全国ロードショーとなる。

 

 

小学6年生の航祐と夏芽は、団地で育った幼馴染。夏休みのある日、航祐はクラスメイトとともに取り壊しの進む「おばけ団地」に忍び込む。その団地は、航祐と夏芽が育った思い出の家。航祐はそこで思いがけず夏芽と遭遇し、謎の少年・のっぽの存在について聞かされる。すると突然不思議な現象に巻き込まれ、気づくとあたり一面の大海原に団地ごと漂流していて──果たして元の世界へ戻れるのか?

 

公開がおよそ1ヶ月後に迫ったこの度、本作初となるイベントとして完成披露舞台挨拶が実施された。イベントには主人公・航祐役の田村睦心、夏芽役の瀬戸麻沙美、物語の鍵を握る謎の少年・のっぽ役の村瀬歩ら人気実力ともに兼ね備えた豪華声優陣、そして世界に誇るスタジオコロリド・石田祐康監督が揃って登壇。

 

34歳という若さで長編映画第2作目となる石田監督。舞台袖では緊張していたというが、「この御三方と一緒にこの日を迎えられたことを光栄に思います」と、ついに本作を観客に届けられたことに安堵の表情を見せた。そして本作のシンボルでもある団地については「団地自体は様々な映画で描かれたモチーフですけど、団地が漂流するというのは聞いたことがないなと思って。船や空母といったかっこいいものが漂流するのはイメージできるのですが、あえて団地を漂流させる少しおバカな感じが気に入ってそのまま映画にしてしまいました!」とお茶目に明かす。さらに団地に魅了され、ついには団地に住み始めたという石田監督。まさに作品で夏芽の見ていた団地からの景色は、石田監督の見た景色から作られたという並々ならぬ「団地愛」エピソードには、他の登壇者も驚きの声をあげた。

 

特徴的なハスキーボイスで数々の“少年”を演じてきた田村は、本作で演じる航祐というキャラクターについて「航祐はかっこいいし可愛い少年だなと思ったんですけど、根は優しいのに夏芽だけじゃなく、友人たちにもぶっきらぼうでとにかく素直じゃなくて不安になったんですよ」と意外なコメント。「声優という職業は感情を外に発散することが多い中で、航祐は内に内にいってしまうのでとても苦戦したんですが、監督や音響監督の方とお話する中でだんだんと航祐になることが出来ました」とアフレコの裏話を語る。瀬戸も「夏芽は抱えているものをあえて表現しないというか、自分を追い込んでしまう子だったので監督や音響監督の木村さんとも丁寧に役を作っていきました」と語ると、謎の少年・のっぽを演じた村瀬も「監督やいろんな人の持つのっぽというイメージの集合体みたいなものがあるんだけど、それをどうやって表現するかをすごくディスカッションしたんです。その時に監督やスタッフさんもすごく向こう側でのっぽについて深く考えてくれていたのが分かって、僕だけじゃなくみんなで作り上げたキャラクターって感じがして、大好きなキャラクターになりました…っていうのを今日一番話したかった!」と熱弁!各キャストだけでなく、スタッフも一丸となって愛すべき子供たちのキャラクターが作り上げられた制作秘話が語られた。

 

公開へ向け一層期待が高まる『雨を告げる漂流団地』に注目してほしい。

 

©コロリド・ツインエンジンパートナーズ

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    石田祐康監督コメント

    映画は、二人の少年少女の痛みを引き受けながら作っていました。 この歌も、それを引き受けてくれたと思います。旅、道連れ、世は情け、、だから嬉しかったです。 MVもまた、そういう音と映像の寄り添いになれたらと、作っています。 どうぞ見て聴いてください。   ©コロリド・ツインエンジンパートナーズ
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      漂流団地に隠された秘密、そして、謎の少年・のっぽの正体とは?少年少女たちの“ひと夏の別れの旅”が始まる──