日本和文化振興プロジェクト「第2回日本和文化グランプリ」結果発表

12.September.2022 | FASHION

各分野の企業、協会、自治体が協業し、持続可能な日本の和文化発展の仕組みを構築・確立するため、2020年5月に設立された一般社団法人 日本和文化振興プロジェクトは、「第2回日本和文化グランプリ」を開催し、計5作品の受賞を発表した。

 

元文化庁長官の近藤誠一が陣頭指揮をとり、副代表にユナイテッドアローズ名誉会長 重松理と、400年の歴史を誇る伊場仙14代目当主 吉田誠男が脇を固める一般社団法人 日本和文化振興プロジェクトは、国籍居住地、年齢を問わず、和文化に携わる企業・団体・個人を対象に、日本が誇る優れた作品を顕彰するイベントとして当グランプリを開催。審査委員はシャネル合同会社 会長リシャールコラスや、モデルの秋元梢など、各界で活躍する11名が務め、栄えある5作品を選出した。

 

グランプリ

塵取り・箒「Chiritori×Houki」

羅琪(ロ チ)

ちりとりは、一本一本を手で松本箒の特別な形と合わせて形を整え、それに徳島の天然染料『藍』で染色したものです。箒は、第三代の職人さんが長年の経験を積み重ねた技術とこだわりをもって、自家栽培したホウキモロコシを材料として作った、世界で一つだけの箒です。箒の取手部分とちりとりを完璧に合わせるため、何度も微調整を繰り返すことで、唯一無二の吊れる松本箒ちりとりセットを生み出しました。

 

準グランプリ

漆芸「Ether」

佐々木岳人

 

【講評】
伝統と革新。和文化の精神と本賞のパーパスが形になって現れたような作品である。ファスナーは開かない。表面は革製品に見えて、革ではない。蓋を開けると、艶やかな漆が広がる。思い込みはあっさりと裏切られた。そして触れる人、使う人の想像力を広げるパワーに満ちている。作り手はこの様子を想像して、にんまりしているのではないか。多くの気配りを施しながら、見事な匠の技が軽やかに決まっている。楽しい驚きを受けた。(田中里沙)

酒器「和nagomiの酒器」

藤田和

 

【講評】
アールヌーボーの、植物に対する観察や繊細な造形化を透明なガラスの生命感と重ねていく精神との共通点をもっている。「和なごみ」では植物の線的な表現はよりライトだがそれがいくつものレイヤーや形の重なりあいによって、その場の雰囲気に浸透していくような共鳴を生み出している。漆や箔などの伝統技法をさりげなく幾重にもつかいながら、そこに「植物という生」のいきづかいをもたらす。現代的なエコロジーのとりこみといえる。(長谷川祐子)

 

優秀賞

カウンターテーブル
「Floating Boat Counter -舟のように浮かぶカウンターテーブル-」

児玉理文(一級建築士)石川大樹(一級大工技能士/二級建築士)

 

【講評】
日本建築の伝統的技術である「舟肘木」をモチーフに、住まいの中心である家族のくつろぎの場所で建築と家具を一体化する実用性と日本の木構造の美しさを現代に生かした優れた作品である。舟肘木は日本の伝統的建築の中で住居系の建築、京都御所清涼殿、園城寺光浄院客殿等で使われ、寺社建築の斗栱とは異なる優美で品格のある構造意匠である。その美しく洗練された舟肘木をモチーフに建築と一体化したテーブルとして立体的に構成し、住まいの中心として家族が楽しく集まる美しい空間を作り出している。(堀越英嗣)


折りたたみ式正座補助椅子
「patol stool SEIZA」

平山日用品店 平山和彦・真喜子

 

【講評】
折りたたみ式の正座補助椅子であり、すぐにでも実用化できそうなコンセプトで、審査員からも好評であった。畳文化を気軽に楽しむのには、うってつけの補助器具で、めっきり正座の機会の減った現代人には強い味方になりそうだ。椅子の高さやサイズ感、それに細かく折りたためる収納あたりが、いい塩梅で、今までにはなかったものである。身体のサイズに対応したバリエーションや蝶番のデザイン性の検討など、さらに美しくなる可能性を秘めた傑作である。(秋元雄史)

 

日本の伝統文化と未来の伝統に繋がるアートワークから目が離せない。

 

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    福島県 会津塗オルゴール

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    石川県 九谷焼丸皿(3種セット)

    石川県の加賀地方で生産される色絵磁器「九谷焼」。その鮮やかな色彩と縁起の良い伝統柄で、『美少女戦士セーラームーン』の世界を表現。セーラー5戦士の中心に幻の銀水晶があしらわれた丸皿、クライシス・ムーン・コンパクトを中心にちびムーン・コンパクトとセーラー戦士の守護星マークが並んだ丸皿、ルナ・アルテミス・ダイアナのシルエットが浮かぶキュートな丸皿の3種セット。    

    東京都 江戸切子グラス

    江戸の粋な美意識が息づく東京のガラス工芸「江戸切子」の繊細な細工と澄んだ煌めきに、美しい星々の瞬きをうつした江戸切子グラス。セーラー5戦士とスーパーセーラーちびムーンをイメージした薄紅色と、外部太陽系4戦士をイメージした瑠璃色の2種類。  

    香川県 香川漆器 漆塗り椀(ペアセット)

    多彩な色漆を使い繊細で緻密な模様を描き出す手法が特徴の「香川漆器」。朱色と黒色、色漆で鮮やかに彩られたスーパーセーラームーンとタキシード仮面のペアの漆塗り椀。クライシス・ムーン・コンパクトや幻の銀水晶、仮面やゴールデン・クリスタルといった二人のモチーフが金銀豪華な色づかいと伝統的な蒔絵仕上げで、お椀を華やかに飾る。  

    福岡県 博多織長財布

    経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を打ち込んで作られる絹織物「博多織」。その“しなやかでありながら丈夫”という特徴にセーラー戦士たちの美しく力強いイメージを重ねて、伝統の縞柄に守護星マークや幻の銀水晶のモチーフを織り込んだ長財布。       (c)武内直子・PNP/劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」製作委員会
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    土屋鞄製造所は、グラスを中心とするガラスの器と工芸を取り扱う専門店「TSUCHI-YA(つちや)」をプロデュース。東京・浅草のかっぱ橋道具街通りに「TSUCHI-YA(つちや) 浅草合羽橋本店」を2022年8月18日(木)にオープンした。   「TSUCHI-YA(つちや)」では、ものづくりにこだわっている全国13都道県の工房やアトリエで活躍する、“ガラス工芸の作り手”35人以上の作品を購入することができる。取り揃えるアイテムのコンセプトは、「コップ一杯の水を、ガラスで美しく。」日常使いしやすい透明度の高いグラスを多く揃え、フォルムや表面に施したカットの美しさと、注ぐドリンクの色味の双方を楽しめる逸品が並ぶ。   一つ一つ表情が異なるハンドメイドならでは個性や色味と、モダンなデザインが特徴のガラス器に加え、高度な技術と自由な発想を取り入れ、伝統文様を現代風にアレンジした日常使いしやすい切子などが登場。   各製品の技法も多彩だ。ガラスをカットして繊細な細工を施す「切子」のほか、砂を吹き付け表面を削り緻密な模様を描く「サンドブラスト」、息を吹き込み成型する「吹きグラス」など、様々な製法で手作りされる逸品をラインアップする。   使用済みの瓶を溶かしたリサイクルガラスを採用した、沖縄の伝統工芸品の琉球ガラスや、木や革などの端材を利用したコースターなどサステナブルなアイテムにも注目してほしい。   内装デザインは土屋鞄の店舗も手掛けるクリエイティブチームが担当。1階はダークな色調で透明なグラス器をより美しく魅せる。2階は、天井と壁、床一面を白で統一した高級感のあるギャラリーで、カラフルな切子のグラスやアクセサリーのほか、花器やオブジェなど芸術的な製品を販売。   「TSUCHI-YA」は、土屋鞄が育んできた“ものづくりへの想い”を込めたショップ名で、丁寧な手作業による“日本製のガラス器”の魅力を発信する専門店としてローンチした。開業の背景には、土屋鞄が掲げる『人とものと時間を大切にする、日本の「丁寧」を世界へ。』というビジョンがある。   伝統工芸士の切子職人や国内外で活躍するガラス作家ら35人以上による、現代のライフスタイルと日常になじむデザインのガラス器とガラス工芸をその目で確かめてみて。