【東京ごはん】ハレの日使いの焼肉店

29.March.2017 | FEATURES / FOOD

東京の焼肉店が進化している。カジュアル志向の店が注目を集める一方で、最近は“焼いてくれる焼肉店”が人気。これまで、焼肉といえば、セルフ焼きが常識だったが、塊肉ブームの影響もあって極厚カットの肉を出す店が増え「美味しい肉をベストな状態で食べてほしい」という店の思いもあり、おまかせ焼きスタイルが徐々に広まりつつある。

 

なかでも焼肉好きから評判なのが新宿の『大貫』と広尾の『お肉屋けいすけ 三男坊』。東京屈指のコリアンタウン、大久保に隣接するためか、これまで“焼肉の不毛地帯”と言われていたが『大貫』がオープンして以来「新宿に大貫あり」と焼肉ファンの熱視線を集めるように。

料理はコースのみ3種を用意。正肉もホルモンもその“大判”振る舞いぶりには目を見張るものがあるが、なかでも『大貫』人気を語るのに欠かせないのが、分厚い牛タン。

店のスタッフによって丁寧に焼かれた肉は、極厚ながらサクッとした歯ごたえと口中でスパークするような旨みが持ち味だ。

大貫の牛タン。コースの最初に登場する名物肉。焼きたてを頬張りたいところを少し我慢すれば、肉汁がギュッと閉じ込められた極上の牛タンを味わうことができる。12000円のコースより。

 

一方、広尾商店街に昨年オープンした『お肉屋けいすけ 三男坊』は山口県の希少牛、高森和牛の肉のみを提供。アラカルトも用意しているが、ここはぜひ、極上の塊焼きが堪能できるコースをオーダーしたい。

特注ロースターの上でじわじわと焼かれる赤身肉を眺めるのも至福のひととき。ミディアムレアに焼かれた肉を頬張れば、厚切りならではの充実した旨みに思わず唸ること間違いなしだ。ちょっぴり贅沢な気分を味わいたいときは、おまかせ焼きで新感覚の焼肉体験を試してみてほしい。

お肉屋けいすけ 三男坊の高森和牛の極上塊焼き。その日の仕入れでベストな赤身肉を提供。スタッフとの会話楽しみながら肉が焼けるのを待つのも楽しい。7500円のコースより。

 

大貫

住所:東京都新宿区新宿2-18-1

 

お肉屋けいすけ 三男坊

住所:東京都渋谷区広尾5-2-25 HONGOKUビル B1F

 

小寺慶子:Food Writer

関口佳代:Photographer

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    一度好きになったらもう抜け出せない魅惑の街、高円寺。

    ここ最近、そんな高円寺で飲むと、必ずと言っていいほど話題になるお店があった。「あそこ、行った?」「これから行こうと思ってる!」

    酒の席でこう何度も名前が挙がるお店もそうそうない。

    時を同じくして、倫子ちゃんからカレーの取材でここに行きたい!と連絡が入った。

    “妄想インドカレー”こと「ネグラ」!

    高円寺駅南口から徒歩2分。エトアール商店街にあるこちらのお店。

    誰もが気になるであろうこのネーミング。

    そう、ここはインドに行ったことのないシェフが、妄想でインドカレーを作るというコンセプトなのだ。聞くだけで楽しいこのコンセプトが、店名よりも先に街に定着したという。正式な店名「ネグラ」は、お店は切り盛りする二人の学生時代の溜まり場(店主の実家の離れ)の愛称をそのままお店に付けたのだとか。ワクワクしながらお店を開けると、さらに胸が高鳴った!

    まさに溜まり場を彷彿させるような、所狭しと並ぶ面白い小物や本。

    壁一面に描かれたカラフルでダイナミックな絵。

    アートディレクションは苦虫ツヨシさん。ロックフェスなどのイベントのデザインも手がけるアーティストだ。

    言われなければインドに行っていないとは到底思えない店主の大澤さん(お写真がないのが残念すぎるほど!)は、物腰が柔らかく、とても優しい人。

    「店主がすごくインドっぽい雰囲気なので、何も言っていないのにインドで修行をしたと思われがちなので、もう店名から妄想って言っておいた方がいいかもと思って・・・」

    その傍らで笑いながら話す可愛い女性、近藤さん。

    一体どんなカレーが来るのだろう!

    メニューは、季節の素材や同じく旬な妄想を元に日替わりで作られる。今日の妄想メニューは、葉玉葱とトマト、菜の花とアサリのサグの合いがけ(1000円)。トッピングは、金柑と胡椒のチャツネ(200円)。しびれるチャイ(500円)もオーダー!

    1皿でこの存在感!2種のカレー、トマトにさやえんどう、人参など色とりどりの野菜もかなり贅沢!どこから食べようか迷ってしまう。

    ガツン!と気持ちいほどスパイシーなチャイも他では味わえません。

    「お、おいしい!」と声を上げる倫子ちゃん。続けて、「優しい!」と言うその言葉通り、軽やかにスプーンが進む味。

    スパイスと食材の見事なバランス融合!辛過ぎないから素材の味もしっかり、だけど、スパイスの後味はじっくり引く。

    味わいはもちろん、このバランスも初体験!“妄想だからこそ”のインドをしっかり感じました。無限の可能性を秘めたインドと、私たち人間の最大の強み、想像力(妄想力)!そのタッグは最強。

    お店の遊び心に溢れた店名や内装、2人の柔らかい人柄を見て、ほっこりゆるい雰囲気を感じる人もいるかもしれない。

    でも、それだけじゃない。

    イマジネーションと自由を以って何かに挑戦するというのは、とても覚悟がいることなのだ。

    そして、答えのないその味で多くの人を喜ばせるなんて、本当にすごいことなのだ。

    思い出の溜まり場を店名に、前代未聞の挑戦に乗り出した2人が築いた、「妄想インド」という王国。

    ちなみに、高円寺は度々「日本のインド」などと揶揄される。

    妄想は、最強で最速の旅。

    ここでしか味わえないカレーと空気を堪能しに、“インドの中のインド”に一度来てみてほしい。

    model:Rinko Murata @rinco1023 Source:She magazine  

    ■Information

    ネグラ(妄想インドカレー)

    住所:杉並区高円寺南3-48-3

    営業時間:13:00~21:00

    定休日:月・火曜

    ※ 出店などで営業が不規則になる時もあるため、詳しくは公式FBページを

    https://www.facebook.com/negura.curry/

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    パブやバールなど、世界にはさまざまな酒場があるが、日本の大衆酒場はまた独特な空気感がある。浅草や上野界隈には昼間から営業している店も多く、最近は外国人観光客の姿もちらほら。予約必須のレストランとは違い、気軽に立ち寄れて気楽に飲めるのも酒場の魅力だ。昔ながらの昭和レトロな雰囲気を楽しみながら飲むのもいいが、最近は個性際立つ“ネオ酒場”の人気が上昇中。キャラは立っていてもディープすぎず、ほどよくラフな雰囲気が、若い世代にも受けているのだという。

    酒場の聖地、上野御徒町に昨年オープンした「羊香味坊」も肩肘張らずに昼呑みを楽しめる店のひとつ。

    オーナーの故郷である中国東北地方の料理とナチュラルワインを提供する神田「味坊」の姉妹店とあって、メニューには「味坊」名物の羊料理やワインに合う一品料理、麺類などが並ぶ。

    この店でまずオーダーすべきは、さまざまなラムの部位を使った羊串焼き。ラムショルダーやラムネックなど串焼きは5種用意しており、ワインのおともにぴったり。近くの酒場を2軒、3軒とはしごするのも楽しいが、料理も酒も美味しく、居心地がいいとくれば長居は必至!?

     

    ■羊香味坊

    住所:東京都台東区上野3丁目12−6

    Tel:03-6803-0168

    Holiday:無休

    Hours:月~金曜日 7:30~9:30・11:30~23:00(L.O)

    土・日・祝 13:00~22:00(L.O)

    https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13200566/

     

    小寺慶子(フードライター)

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